香港・マカオ両特別行政区政府が「南京事件」追悼式典開催
- 2018/12/13 16:38
- 澳日関係
マカオ特別行政区政府は12月13日、中国の「南京事件」国家追悼日に合わせ、政府主催による記念式典を市街地から車で20分ほどの距離に位置するコロアン島のマカオ保安部隊高校グランドで開催した。
マカオの政府系放送局TDMが同日午前のラジオニュースで報じた内容によると、式典にはマカオ政府高官をはじめ、中国人民解放軍駐マカオ部隊及び中央政府出先機関の幹部、マカオの各界代表者、マカオの学校に通う学生らおよそ300名が参列して開催。献花及び1分間の黙祷などが行われたという。なお、崔世安(フェルナンド・チュイ)行政長官は中国・江蘇省の蘇澳合作園視察中のため出席せず、陳海帆(ソニア・チャン)行政法務庁長官が行政長官代行を務めた。
香港特別行政区政府主催の記念式典も13日午前に香港島東部の海防博物館で開催され、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官、香港政府高官、中国人民解放軍駐香港部隊及び中央政府出先機関の幹部、政界関係者、学生代表らが出席した。
南京事件追悼記念日は、9月3日の抗日戦勝記念日と並び、2014年2月27日に中国の全国人民代表大会常務委員会で公祭日化が通過、決定したもの。
南京事件は、今から81年前、日中戦争初期の1937年に旧日本軍が中国・南京市(当時の中華民国の首都)をめぐる攻略戦において、中国軍の便衣兵、敗残兵、捕虜、一般市民などを殺害したとされるもの。事件の存否、死者数など、日本と中国それぞれで考え方は諸説あり、論争が続いている。
第二次世界大戦期において、英国の植民地だった香港は旧日本軍による3年8ヶ月間の占領期を経験した。マカオは中立国の立場にあったポルトガルの統治下にあったことから直接的な影響は及ばなかったが、周辺地域から戦渦を逃れて流入した避難者も多かったとされる。
マカオは知日、親日の市民が多いことで知られる土地柄。今回の南京事件追悼記念日に関連する日本をターゲットとした抗議行動などの目立った動きはこれまでのところ見受けられない。