マカオ警察、ホリデーシーズン迎え悪質タクシーの取り締まり強化
- 2018/12/25 11:20
- 社会・政治
近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。
目下、マカオは返還記念日、冬至、クリスマスといった公休日が連続する冬のホリデーシーズンを迎えている。南欧風の街並みが残るマカオ旧市街地周辺は異国情緒あふれるクリスマスムードが漂い、市内各所でのクリスマス関連イベントやクリスマスセールといったイベントも多くのインバウンド旅客を魅了し、観光のピークシーズンのひとつとなっている。
しかしながら、こういった時期には、悪質タクシーが暗躍しやすい傾向があるのも事実だ。マカオ治安警察局は12月24日、ホリデーシーズンを迎え、警察として悪質タクシーの取り締まりを強化して臨んでいることを明らかにした。12月22、23日の検挙数は合計41件で、ぼったくりが27件、乗車拒否が8件、その他の違反が6件という内訳だったとのこと。
ちなみに、昨年通期の違反検挙総数は前年から32.3%増となる5491件。内訳はぼったくりが85.6%の大幅増となる3180件、乗車拒否が11.4%増の1574件で、検挙数全体の87.6%を占めた。
なお、実際には泣き寝入りなどもあるとみられ、統計に表れない悪質タクシーによる被害が相当数あると予想される。
マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約66万人、年間訪マカオ外客数は約3250万人であるのに対し、タクシー総数は約1600台にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。
現行法ではぼったくりや乗車拒否といった違反についてのドライバーへのペナルティが1000マカオパタカ(日本円換算:約1万3600円)の罰金のみという極めて甘い内容であることも指摘されており、マカオ政府が法改正の準備を進めてきた。マカオ政府は今年4月10日、5年以内に4回のぼったくりや乗車拒否といった重大違法行為で検挙されたドライバーのライセンスを取り消しとし、向こう3年間は再試験を受けさせないこと、違反に対する罰金を最大3万パタカ(約41万円)に引き上げること、管轄を交通事務局から治安警察局に移すこと、改正法実施から1年以内に全車両にGPSおよび録音設備を導入することなどを盛り込んだ改正案をまとめたと発表。6月末には24時間体制で警察官が応対する悪質タクシー通報ホットラインが開設されたばかり。11月に発表した来年度施政方針ではタクシー供給台数を約2000台にまで増やす方向を示している。