マカオ・珠海ボーダーの通行時間

マカオと珠海。隣接するこの2都市間のボーダーは単に両都市間を結ぶ関所であるだけでなく、世界各国と中国を結ぶ重要なハブとなりつつある。このボーダーを超える為の方法は陸路及び海路をベースにいくつか存在するが、それぞれのメリット・デメリットについて検証してみた。

中国・珠海市は日本人にとって「マカオから徒歩で行ける“中国”」であり、ショッピングやマッサージなど、気軽にマカオから「日帰りレジャー」で訪れることができる。また、キヤノン、キリンビールなど複数の大手日本企業が進出していることから、珠海への出張を兼ねてマカオを訪れるといったビジネスパーソンも多い。近く、珠海・拱北から広州南駅まで都市間鉄道(新幹線)が開通することから、ますますマカオと珠海の間を往来する観光、ビジネス旅客の需要が増えそうだ。そこで今回、あらためてマカオと珠海の間の往来について、出入境のポイントとなる各ボーダーの特徴をご紹介していこう。現在、マカオと珠海を往来する際、一般的に利用できるボーダーは3カ所あり、2つが陸路、1つが海路によるものだ。

陸路による往来

陸路1.關閘―拱北ルート(通行時間:7:00~24:00)

中国本土からマカオを訪れる旅客の大半が利用する出入境施設、關閘ボーダーゲート(資料)―本紙撮影
中国本土からマカオを訪れる旅客の大半が利用する出入境施設、關閘ボーダーゲート(資料)―本紙撮影

【概要】
マカオ半島北端に位置する「關閘(ボーダーゲート)」と、珠海市の中心「拱北(ゴンベイ)」を徒歩で移動する。マカオ・珠海間を往来する際の最もメジャーなルートと知られる。マカオ側の關閘はマカオ各地へ向かう路線バスのターミナル、カジノリゾートが運行する無料シャトルバスのターミナルがある交通の要衝。拱北には広東省や福建省の各都市へ向かう高速バスの大型バスターミナルが複数あり、近く珠海と広州の間を結ぶ都市間鉄道(新幹線)の駅も設置されることから、大半の中国本土からの観光客がこのルートを経由してマカオへ入る。關閘からマカオへ入境した旅客数は年間のべ14,160,602人、出境は15,853,451人(2011年)にも上る。

珠海・拱北イミグレーション(資料)―本紙撮影
珠海・拱北イミグレーション(資料)―本紙撮影

【メリット】
マカオ側と中国側との間を徒歩移動できるのがこのルートの最も便利な点。陸路でボーダーを越えるという、日本にはない感覚を味わうことも魅力だろう。通行時間は7時から24時までで、現在マカオと珠海の間を往来できる出入境スポットの中では最も長い。

關閘、拱北ともに交通の要衝であり、出入境前後の交通アクセスが至便。拱北には大きな地下ショッピングモールがあり、近隣には大型スーパーやマッサージ店などが数多く建ち並ぶ。

【デメリット】
徒歩での移動時間は数分なのだが、このルートの一番の課題は出入境審査にかかる所要時間がたいへん長いこと。週末や大型連休ではマカオ側、珠海側でそれぞれ1時間程度かかることもある。

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