マカオ特別行政区の18年末財政準備資産約7兆円…歳出の5年分=投資運用益は0.33%

マカオ金融管理局は2月20日、昨年(2018年)のマカオ特別行政区の財政準備運用状況を公表した。

同局発出の資料によれば、昨年は米中貿易摩擦、グローバル規模での経済成長の鈍化、欧米各国による金融政策の引き締めなどの複合要因により、投資環境は2008年の金融危機以来、最も波動の大きな一年となり、同局として多数のリスク管理及び防御措置を講じたことから、マカオ特別行政区の総体財政準備投資のリターンは15.8億マカオパタカ(日本円換算:約217億円)、投資利益率にして0.33%にとどまったとした。

なお、一昨年の投資リターンは過去最高となる220.7億パタカ(約3026億円)、投資利益率は4.8%に上った。昨年の投資利益率0.33%は近隣地区と同水準。

昨年12月末時点のマカオ特別行政区の財政準備資産(初期推計)は前年同時期から3.8%増の5088億マカオパタカ(約6兆9754億円)となった。内訳は、基本準備が1475億マカオパタカ(約2兆0222億円)、超額準備が3613億マカオパタカ(約4兆9533億円)。財政準備資産は同年の歳出の実に約5.1年分に相当する。

財政準備資産を設立した2012年以降、毎年の平均投資利益率は1.7%とのこと。中長期的に利益率を高めるため、2015年から株への投資を増やしているという。ただし、一定の株式資産を持つことは中長期的に有利だが、価格変動リスクを負うことにもなるとした。昨年の四半期ごとの投資リターンをみると、第3四半期まではプラスを維持していたが、第4四半期に株式市場の大幅調整があったことを受け、リターンはマイナスとなったが、2017年から2018年にかけての平均投資利益率は2%超となり、1%未満だった2015年から2016年より良化しているという。

今年(2019年)については、国際組織が世界主要経済体の経済成長が減速すると予測していること、投資市場に不確定要素が多数存在することを挙げ、リスクを軽減するため慎重な姿勢で臨む必要があるとした。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

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