マカオ、ホテル関連法改正案が立法会で可決…格安宿泊施設拡充へ=ドミトリーもOKに
- 2019/2/21 10:12
- ツーリズム
アジアを代表する観光都市として知られるマカオ。昨年(2018年)通期のインバウンド旅客数は3580万人に達し、2年連続で過去最多を更新。昨年通期のホテル客室稼働率も前年から3.9ポイント上昇の91.1%と盛況だった。
マカオ立法会で2月20日、ホテル産業事業法改正案の審議と採決が行われ、可決された。格安宿泊施設に置いて相部屋を前提とした客室を設けてベッド単位で貸し出すドミトリー方式を認めるほか、ホテル1軒あたりの客室数の下限を現行の40室から10室とすること、歴史的建造物の活用も可能とすることなどが盛り込まれた。
マカオ政府社会文化庁の譚俊榮(アレクシス・タム)長官は改正案の説明にあたって、マカオのホテル客室数は(ポルトガルから中国へ返還された)1999年が9514室、昨年(2018年)は4万0109室で増加率は322%だったが、宿泊を伴うインバウンド旅客数は1999年が延べ225万3445人、昨年は延べ1410万6656人で増加率はこれを大きく上回る526%に上ったとするデータを挙げ、政府が目指す「ワールドクラスのツーリズム・レジャーセンター」を実現するため、より幅広い需要に応えるツーリズム施設を強化する必要があるとし、それが業界の発展にもつながるとの考えを示した。
昨年12月末現在、3〜5つ星ホテルの供給客室数が全体のおよそ95%を占め、格安宿泊施設が圧倒的に少なく宿泊費用が高止まりする状況となっている。
このほか、改正法では2つ星ホテル開設にあたっての認可要件を緩和、5つ星及び5つ星ラグジュアリーホテルのサービスに関する要件を強化するとしており、格安宿泊施設を増やしつつ、超高級ホテルのサービス品質を向上させたい政府の意向が反映されたかたちだ。