マカオIR運営大手メルコリゾーツがプラスチック汚染に取り組む「新プラスチック経済グローバル・コミットメント」に参加

マカオ及びフィリピン・マニラなどでカジノIR(統合型リゾート)を運営するメルコリゾーツ&エンターテインメント社は3月14日、エレン・マッカーサー財団が、国連環境計画と協力して率いる「新プラスチック経済グローバル・コミットメント」の参加企業になると発表。ホスピタリティーグループ及びIR事業者としては世界初、唯一とのこと。

今回の発表は、エレン・マッカーサー財団がプラスチック汚染廃絶の世界的取り組みに関しての第1回公式レポートの公開と同時に行われるもの。

メルコリゾーツでは、環境的サステナビリティ重視の姿勢を戦略や日常業務の中核に据えており、グループのIR施設であるシティ・オブ・ドリームス マカオ、スタジオ・シティ、アルティラ・マカオ、シティ・オブ・ドリームス マニラに加えて、香港、マカオ、フィリピン及び日本の事務所や施設を含む世界中の事業拠点において問題となるプラスチックの使用削減とサーキュラーエコノミーの推進にコミットしていくとした。

「新プラスチック経済グローバル・コミットメント」は、2018年10月にエレン・マッカーサー財団が、国連環境計画と協力して立ち上げ、世界自然保護基金(WWF)、世界経済フォーラム、ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラムなどによってサポートされている。

グローバル・コミットメントが取り組むプラスチック汚染の世界規模の問題では、毎年800 万トンものプラスチックが海に流入しており、現在の状況が続いた場合、2050年までには海中の魚の重量より、プラスチックの方が多くなることもあり得るとしている。

この「グローバル・コミットメント」の取り組みは、100%再使用可能、リサイクル可能、または堆肥化可能なプラスチック包装の2025年までの実現に向けてコミットする政府と企業の一体化を可能にするものとなる。参加企業となる事業者は、自社の進捗について毎年データを公表し、目標を18ヶ月ごとに見直すことで、数年かけて、より強固な取り組みとなる見込み。

メルコリゾーツは、参加企業として、不要なプラスチック包装の廃絶と使い切りプラスチックの削減にコミットするとのこと。2019年末までに、全従業員エリアにおいて、使い切りのペットボトルを全面的に廃止。また、2020年末までには、その範囲をゲストエリアまで拡大することを計画しており、アメニティキット、ゴミ袋、ペットボトル、ストロー、使い捨て食品飲料容器及び器具を含め、具体的なロードマップの作成を予定している。また、2019年半ばまでに、再利用不可、リサイクル不可、または堆肥化不可である包装についてのプロセスを完了させ、 2025年までに対処するための実施計画も作成するとした。

メルコリゾーツのローレンス・ホー会長兼最高経営責任者(CEO)は本件について、「当社ではプラスチック汚染を地球規模の課題であると認識しており、本件を当社のサステナビリティに関する取り組みの最前線に位置付け、問題のあるプラスチックの廃絶に努めてまいります。統合型リゾートの主要事業者として、また責任ある企業市民として、マカオ及びその他において、 当社周辺のコミュニティーが直面する主要な環境上の脅威の一部について解消すべく協力することで、具体的行動を起こすことは当社の義務であります。次世代のために、より良い状態で環境を残す必要があると当社は考えており、メルコはその一部を担うべく全面的にコミットします」とコメントしている。

シティ・オブ・ドリームズ マカオ(資料)=2018年10月本紙撮影

シティ・オブ・ドリームズ マカオ(資料)=2018年10月本紙撮影

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