マカオが誇る「信号のない横断歩道では歩行者優先」の良心…交通マナー改革進む
- 2019/4/21 11:14
- 社会・政治
中国本土や香港を訪れた際、信号のない横断歩道を渡るのに苦労した経験をお持ちの方も多いだろう。自動車優先が暗黙の了解のようになっており、歩行者はうまくタイミングを見計らって渡らなくてはならず、スピードを落とさず突っ込んできたクルマにクラクションを鳴らされ、小走りで渡り切らなくてはならないといったことすらある。
一方、同じ中華圏でも、マカオは歩行者優先がほぼ徹底されており、比較的安心して横断歩道をわたることができる。マカオ政府が交通マナー改革に積極的に取り組んできた成果で、これをマカオの良心として市民は誇り、インバウンド旅客からも絶賛されている。
近年、マカオ警察は信号のない交差点における歩行者優先を徹底するため、罰則の強化とともに、抜き打ちも含む取り締まりを継続実施している。目下、4月15日から1週間に及ぶ取り締まり強化週間の最中だ。取り締まりに加え、交通マナー向上を訴求するプロモーションも同時展開している。
マカオ治安警察局が発表した最新データによれば、今年第1四半期(2019年1〜3月)の信号のない横断歩道における自動車とバイクによる歩行者優先義務違反の件数は418件で、前年同時期から1.4%の下落だった。
ただし、歩行者による赤信号時あるいは横断禁止場所での横断の違反件数は同77%増の619件に上った。同局では、自身の安全はもちろんのこと、道路秩序を守るため、歩行者側も安全意識向上に努め、ルールを遵守してほしいと呼びかけている。
なお、現行のマカオにおける自動車及びバイクによる歩行者優先義務違反の罰則は、初犯が600〜2500マカオパタカ(日本円換算:約8300〜3万4500円)の罰金、累犯では1200〜5000パタカ(約1万6600〜6万9000円)及び運転禁止6ヶ月となっている。歩行者による赤信号無視及び横断禁止場所横断の罰金は300マカオパタカ(約4100円)。