マカオ政府旅遊局が「旅客税」実行可能性リサーチを展開…市民、観光業界、インバウンド旅客から意見募る

近年、訪マカオ旅客数は右肩上がりに増加しており、昨年(2018年)は延べ3580万人を記録した。また、昨年(2018年)10月の港珠澳大橋開通もあり、今年に入って以降も好調を維持し、1〜3月累計で対前年2割超の増加となっている。中国本土の大型連休中を中心に世界遺産が多く集まるマカオ半島の歴史市街地区で通行規制が敷かれることも恒常化しており、市民の間でオーバーツーリズムを指摘する声も聞かれる。

日本では今年1月から国際観光旅客税(出国税)の徴収がスタート、イタリアの観光都市ベネチア日帰り旅客を対象に今年7月から訪問税の徴収を予定しており、マカオ政府旅遊局(MGTO)のマリア・エレナ・セナ・フェルナンデス局長も、同局としてこれらに対して高い関心を持ち、研究対象しているとの姿勢を示してきた。

MGTOは5月20日、マカオ市民、観光業界、訪マカオ旅客を対象としたアンケート調査などを含む「マカオ旅客税」の実行可能性リサーチを展開すると発表。まず、同日から1ヶ月間にわたって市民からの意見の公募を行うと発表。MGTOの観光業界向けウェブサイト内の特設ページで受け付けし、アンケート回答を通じて意見を示した人には粗品を用意しているとのこと。このほか、旅行業界に向けてはアンケート用紙の配布、訪マカオ旅客にはイミグレーション施設で調査を行うとし、各方面からの意見を集約した上、今後の検討に向けた重要資料として活用するとした。

なお、マカオ政府財政局は旅客税を徴収する計画は現時点でないとする声明を先に発表しており、その理由として旅客の訪マカオ意欲低下につながるだけでなく、マカオと中国本土の融合進化にとって不利であることを挙げた。マカオはカジノ税という潤沢な財源を抱えており、大幅な財政黒字が続いている。

台風13号襲来後4日目、マカオを代表する観光名所の世界遺産「聖ポール天主堂跡」周辺には団体ツアー客の姿がほとんどなかった(資料)=2017年8月26日-本紙撮影

台風13号襲来後4日目、マカオを代表する観光名所の世界遺産「聖ポール天主堂跡」周辺には団体ツアー客の姿がほとんどなかった(資料)=2017年8月26日-本紙撮影

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