マカオ、改正タクシー法施行から18日間の違反検挙数は38件…前年比大幅減=罰金値上げや違反累積での免許取消など罰則強化が奏功
- 2019/6/23 15:03
- 社会・政治
近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んだものの、暗躍が続いていた状況だ。
今年(2019年)6月3日から罰金の値上げや違反累積での免許取り消しといった罰則の強化、タクシーの監察機関が政府交通事務局(DSAT)単独から治安警察局を加えた体制とすることなどを盛り込んだ改正タクシー法が施行された。これによって、悪質タクシーの駆逐に期待が寄せられている。
マカオ治安警察局が6月21日に発表した内容によれば、改正法施行から18日間(6月3〜20日)の違反摘発件数は38件だったという。
内訳は、「ぼったくり」が15件、「乗車拒否」が12件で、その他11件は「乗客指定のメーターを使わず乗客に価格交渉を持ちかける行為」「乗客指定の目的地への輸送拒否」「交代時における車内及びトランク内の忘れ物確認及び警察への通報義務違反」「タクシー運転手ライセンスを隠す行為」「合理的ではない速度で客を乗せる行為」「休憩(交代)サイン掲出時に客を拾う行為」「出発時/目的地到着時に速やかにメーターを作動/停止させない行為」など。
改正タクシー法におけるぼったくり、乗車拒否の罰金はそれぞれ最高1万5000マカオパタカ(日本円換算:約20万円)、3000マカオパタカ(約4万円)となっている。
マカオ治安警察局によれば、改正法施行後、連日各所において取り締まりを行う中、悪質タクシーをめぐる状況は改善の形跡が確認できたとのこと。今後もタクシーサービスの運営状況を注視し、公平公正を原則とした取り締まりを続けて行くとした。また、タクシー業界と乗客双方の利益のため、マカオの良好なイメージを保持するため、タクシー運転手に対してプロフェッショナルとしての品格と遵法意識を持って仕事に臨むよう呼びかけた。
なお、昨年通期の違反検挙総数は前年から11.6%増となる6126件。内訳はぼったくりが20.9%増の3846件、乗車拒否が15.1%減の1336件で、検挙数全体の84.6%を占めた。1日当たり平均では約17件となり、これと比較すれば改正法施行後は大幅に違反が減少しているといえる。