マカオ、カジノ売上に占めるVIPルーム比率の過半数割れ続く…19年第2四半期47.2%=平場は対前年2桁増

豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノ施設ばかりが目立つが、実はマカオには競馬、サッカー及びバスケットボールを対象としたスポーツくじ、ロトといった各種合法ギャンブルも存在し、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ民間事業者によって運営されている。

マカオ政府博彩監察協調局は7月16日、今年第2四半期(2019年4〜6月)の各種ギャンブル統計を公表。

今年第2四半期の総ギャンブル売上は前年同時期から0.6%減の735.59億マカオパタカ(日本円換算:約9881億円)、このうちカジノによる売上は0.7%減の733.51億マカオパタカ(約9853億円)で、実に全体の99.7%を占めた。

カジノ売上の内訳については、VIPルームによる売上を反映するVIPバカラ売上が15.6%減の346.16億マカオパタカ(約4650億円)。カジノ売上全体に占めるVIPルームの割合は7.1ポイントの大幅下落となる47.2%となり、今年第1四半期に続き2四半期連続で過半数を割り込んだ。一方、マスゲーミング(いわゆる平場)のバカラ売上は16.6%増の296.05億マカオパタカ(約3977億円)で、VIPルームからマスへのシフトが伺える。マカオのカジノではバカラが圧倒的なシェアを誇り、カジノ売上全体に占めるVIPバカラとマスゲーミングバカラ売上の比率は87.6%に上る。

今年第2四半期末時点のカジノ施設数は前年同時期から横ばいの41軒で、ゲーミング(カジノ)テーブルの数は昨年第2四半期末から146台増の6734台、スロットマシンの数は342台増の1万7638台だった。

カジノ以外の各種ギャンブルの売上については、競馬が19.2%減の0.21億マカオパタカ(約2.8億円)、中国式ロトが33.3%増の0.04億マカオパタカ(約0.5億円)、サッカーくじが41.8%減の1.42億マカオパタカ(約19.1億円)、バスケットボールくじが6.8%減の0.41億パタカ(約5.5億円)など。なお、ドッグレースはコンセッション満了により昨年6月末でレース開催を終了したためゼロ。

【資料1】2019年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:249.42億マカオパタカ=約3350億円(5.0%減)
・2月:253.70億マカオパタカ=約3408億円(4.4%増)
・3月:258.40億マカオパタカ=約3471億円(0.4%減)
・4月:235.88億マカオパタカ=約3168億円(8.3%減)
・5月:259.52億マカオパタカ=約3486億円(1.8%増)
・6月:238.12億マカオパタカ=約3199億円(5.9%増)
>1〜6月累計:1495.03億パタカ=約2兆0081億円(0.5%減)

【資料2】2013年〜2018年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億マカオパタカ=約4兆8459億円(18.6%増)
・2014年:3515.21億マカオパタカ=約4兆7220億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億マカオパタカ=約3兆1009億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億マカオパタカ=約2兆9984億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億マカオパタカ=約3兆5697億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億マカオパタカ=約4兆0681億円(14.0%増)

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある複合リゾート「リスボエタマカオ(澳門葡京人)」併設のショッピングアーケー…
  2.  在香港日本国総領事館は11月22日、同月14日に澳門日本会に対する在外公館長表彰授与式が執り行わ…
  3.  マカオ市政署(IAM)は11月21日、マカオ半島のギアの丘(松山)に位置する史跡「松山軍用隧道(…
  4.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…
  5.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun