2018年マカオのホテル業界の利益が過去最高に…対前年51%増の約727億円、利益率は3.6ポイント上昇の14.6%

 近年、マカオでは大型カジノIR(統合型リゾート)のオープンラッシュが続いており、ホテル客室供給数が増加の一途となっているほか、かつて日帰りが主だったインバウンド旅客についても、宿泊を伴う旅客数の増加傾向が続き、およそ半数を占めるまでに至った。

 マカオ政府統計調査局は9月19日、昨年(2018年)のホテル業界に関する調査結果を公表。同年のマカオの宿泊施設(ホテル及び簡易宿泊施設)の数は前年から3軒増の116軒、従業員数は3.7%増の5万2976人、収入は宿泊客数増を追い風に14.5%増の372.9億マカオパタカ(日本円換算:約4993億円)だった。支出は10.0%増の318.3億マカオパタカ(約4262億円)で、内訳は人件費が10.7%増の143.9億マカオパタカ(約1927億円)、営業費用が8.4%増の138.2億マカオパタカ(約1851億円)、購買及びコミッション支出が13.6%増の36.2億マカオパタカ(約485億円)。

 宿泊施設のうち、ホテルに限った数は82軒で、収入は14.5%増の372.1億マカオパタカ(約4983億円)。ホテル等級別でみると、5つ星ホテルの収入は18.6%増の290.4億マカオパタカ(約3889億円)で、内訳は客室宿泊料が20.3%増の130.6億マカオパタカ(約1749億円)、ベニュー貸出料が10.3%増の71.2億マカオパタカ(約953億円)、料飲サービス収入が20.8%増の63.6億マカオパタカ(約852億円)。4つ星ホテルの収入は5.2%増の43.9億マカオパタカ(約588億円)で、このうち客室宿泊料が5.4%増の23.6億マカオパタカ(約316億円)、3つ星及び2つ星ホテルの収入は2.0%減の37.8億マカオパタカ(約506億円)で、客室宿泊料は3.0%増の17.8億マカオパタカ(約238億円)、料飲サービス収入は9.1%増の8.2億マカオパタカ(約110億円)だったが、ベニュー貸出料が13.8%減の6.0億マカオパタカ(約80億円)にとどまったことが響いた。また、2017年8月23日にマカオへ襲来し、大きな被害をもたらした台風13号(国際名:ハト)の影響により、利息及び保険賠償は前年の1.9倍にあたる3.8億マカオパタカ(約51億円)に上った。

 ホテル82軒の支出については、10.0%増の317.8億マカオパタカ(約4256億円)。ホテル等級別でみると、5つ星ホテルの支出は10.0%増の251.1億マカオパタカ(約3362億円)で、全体の79.0%を占めた。内訳は人件費が13.5%増の116.9億マカオパタカ(約1566億円)、営業費用が11.1%増の105.4億マカオパタカ(約1412億円)。4つ星ホテルの支出は3.5%増の38.4億マカオパタカ(約514億円)で、このうち営業費用が2.3%増の20.7億マカオパタカ(約277億円)、3つ星及び2つ星ホテルの支出は1.5%減の28.2億マカオパタカ(約378億円)で、このうち人件費が1.3%減の13.3億マカオパタカ(約178億円)、営業費用が2.7%減の11.9億マカオパタカ(約159億円)だった。このほか、減価償却、利息等の営業外費用は14.8%増の147.2億マカオパタカ(約1971億円)に上った。

 簡易宿泊施設の数は前年から横ばいの34軒。収入は40.8%増の8020万マカオパタカ(約11億円)、支出は13.6%増の5204万マカオパタカ(約7億円)。

 業界の経済貢献を示す付加価値総額は19.5%増の198.2億マカオパタカ(約2654億円)、従業員1人あたり平均は15.2%増の37.4万マカオパタカ(約501万円)。業界の利益は51.0%増の54.3億マカオパタカ(約727億円)で調査開始以来の最高を記録、利益率は3.6ポイント上昇の14.6%に。このほか、新ホテルの落成及び一部ホテルで機器やその他設備の追加があったことを受け、業界の総固定資本形成は2.3倍増となる283.5億マカオパタカ(約3797億円)に達した。

 なお、昨年通期のホテル宿泊客数は対前年7.2%増の1410.7万人、平均客室稼働率は3.9ポイント上昇の91.1%。今年に入って以降も、前年を上回るペースで進捗している。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

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