マカオ、カジノ全面禁煙化から9ヶ月間の取り締まり状況公表…違反検挙場所はカジノが最多で全体の約26%

 世界的な健康意識の高まりを受け、マカオでは屋内公共エリア及び公園などの大半を禁煙とする「新禁煙法(喫煙予防及びコントロール法)」が2012年1月1日から施行され、市内ではマカオ政府衛生局(SSM)の法執行官(禁煙Gメン)が昼夜を問わず巡回取り締まりを行っている。

 昨年(2018年)1月から改正法が施行となり、マカオ国際空港とカジノに設置された喫煙所を除く屋内パブリックエリアを全面禁煙としたほか、屋外に関してもバス停・タクシー乗り場の周囲10メートルを新たに禁煙ゾーンに設定。コンビニエンスストア、スーパーマーケット、新聞スタンド等の店頭におけるたばこ製品の公開陳列が禁止となり、禁煙ゾーンにおける違反喫煙に対する罰金が従来の2.5倍に相当する1500マカオパタカ(日本円換算:約1万9930円)になるなど、各種罰金が大幅に引き上げられた。また、今年1月からはカジノフロアの全面禁煙化が実施されている。

 マカオのカジノ施設は、2014年10月6日からハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームが分煙、平場にあたるマスゲーミングフロアが全面禁煙となり、マスゲーミングフロアには喫煙ルームが設置された。今年1月からはカジノフロアの全面禁煙化がスタート。喫煙はマスゲーミングエリア(いわゆる平場)とVIPルームのそれぞれに設置された政府認可済みの新基準をクリアした高規格の喫煙ルーム内でのみ可能となっている。

 カジノフロア内については、SSMとカジノ監理当局にあたるDICJが合同で取り締まりを行っている。SSMが10月9日に発出したプレスリリースによれば、今年1〜9月累計の2部局による合同巡回場所は前年同時期から51.3%増の延べ994箇所、違反者は14.5%減の延べ1079人(うち83.5%がインバウンド旅客)に上った。

 今年1〜9月累計の禁煙Gメンによる巡回場所は0.4%減の延べ25万8456箇所(1日平均延べ947箇所)、違反検挙数は4168件。このうち、禁煙ゾーンでの違法喫煙行為が0.6%減の4144件で、違反場所についてはカジノが最も多く、全体の25.9%を占めた。

 新基準をクリアした高規格喫煙ルームの申請、認可状況は、9月30日までに34のカジノ施設から650室の申請があり、同日までに33のカジノ施設の606箇所を認可したとのこと。

 新禁煙法改正法施行後の2012年1月1日から今年9月30日までの累計では、禁煙Gメンによる巡回場所が延べ221万7928箇所(1日平均延べ784箇所)、累計違反件数は延べ5万4480件。

 マカオでは増税によるたばこ製品の値上げや免税持ち込み範囲の縮小などの施策も相次いで講じられおり、愛煙家を取り巻く環境は厳しさを増している。SSMでは、喫煙者に対してたばこから距離を置き、法律を遵守し、早期に禁煙に取り組むよう呼びかけている。

大型IR(統合型リゾート)スタジオ・シティ・マカオの高規格喫煙ルームを視察するマカオ政府社会文化庁の譚俊榮長官と衛生局の李展潤局長ら(資料)=2018年11月14日(写真:GCS)

大型IR(統合型リゾート)スタジオ・シティ・マカオの高規格喫煙ルームを視察するマカオ政府社会文化庁の譚俊榮長官と衛生局の李展潤局長ら(資料)=2018年11月14日(写真:GCS)

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