ポルトガル・リスボンで世界記憶遺産「漢文文書」エキジビション開催…清朝期のマカオ及び中外関係史知る第一級資料
- 2019/10/13 10:15
- ツーリズム
2017年10月、マカオ歴史文書館とポルトガル・リスボンのトッレ・ド・トンボ国立公文書館が共同申請していた「漢文文書(Chapas Sínicas)」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界記憶遺産リストに登録された。
「漢文文書」はトッレ・ド・トンボ国立公文書館にアーカイブされている中国語の文書とその翻訳版、草稿など約3600点で構成され、清朝期の18世紀半ばから19世紀半ばのものが中心。当時のマカオの社会状況、市民生活、都市計画、農工業生産、商業貿易をうかがい知ることができる各種統計資料、手紙、契約書のほか、マカオがポルトガル統治下という特殊状況にあった時期の清朝とポルトガルの間を往来した公文書が含まれていることから、マカオの歴史及び中外関係史を知る第一級資料とされている。
昨年、マカオで5ヶ月にわたって「漢文文書展」が開催された。マカオ政府文化局(ICM)によれば、今年(2019年)は中国とポルトガルの国交樹立40周年とマカオ返還20周年に当たり、これを記念してトッレ・ド・トンボ国立公文書館で漢文文書をテーマにしたエキジビションの開催が決まったという。タイトルは「漢文文書−トッレ・ド・トンボ国立公文書館のマカオ物語」、会期は10月9日から来年(2020年)2月8日までとのこと。
マカオは大航海時代以来、東洋と西洋を結ぶ貿易港として栄えた。東西文化が見事に融合したエキゾチックな町並みが残るマカオ半島中心部の旧市街(歴史市街地区)にはユネスコ世界文化遺産リストに登録された建築物と広場が30ヵ所も存在する。また、マカオは2017年にユネスコ・クリエイティブシティーズ・ネットワークの「食文化創造都市」にも登録されている。