マカオへの影響小—比マニラ湾新カジノ開幕
- 2013/3/15 10:29
- 産業・経済
フィリピンの首都マニラのマニラベイ地区に16日、約12億米ドルを投じて建設が進められてきた新カジノリゾート「ソレアマニラリゾート」が開幕する。マニラはマカオから地理的に近い位置にあるが、マカオのゲーミング業界への影響については小さいと見られる。
15日付地元有力紙「澳門日報」が伝えた。ソレアマニラリゾートはマニラベイ地区でゲーミングライセンスを持つ4社のうちの1つで、同地区に開業するプロジェクト第1号となる。リゾートの規模はゲーミングテーブル300台、スロット機1,200台、レストラン7店、ホテル客室500室、駐車場2,000台、高級ショッピングモールとシアターも併設する。
ソレアマニラリゾートの運営母体はフィリピンの港湾ペレーターで富豪のエンリケ・レゾン氏及びゲーミング関連企業のブルームベリー・リゾーツ・アンド・ホテル社。マニラベイ地区ではソレアマニラリゾートの他、マカオでシティ・オブ・ドリームズを運営するメルコ・クラウン・エンターテインメント社、岡田和生氏とマレーシアの大手国際ゲーミング企業ゲンティン社によるものなど3プロジェクトの建設が進められており、2017年頃までに出揃う予定。
現在、フィリピンの年間ゲーミング売上は約10億米ドルというが、ソレアの開業により倍増となる20億米ドルを見込んでいるという。マニラベイの4リゾートがすべてオープンした後、同国のカジノ売上は100億米ドルに達する見込み。なお、直近のマカオの年間カジノ収入は380億米ドルで世界トップ、ラスベガスは60億米ドル。
マカオの学者によると、フィリピンでは今後も積極的にゲーミング産業の強化を続けると見られるが、同国の政治状況が不安定、中国との関係が良好ではない、治安面での不安といった点などから、中国人旅客を誘致するのは容易ではないと見ている。また、近隣国と比較して航空アクセスにおいても中国方面との間の路線が少ないことも指摘されている。資金融通の利便性についてもマカオには遠く及ばないなど、現時点ではフィリピンのカジノがマカオへ与える影響は軽微なものと捉えられている。