マカオ、カジノ全面禁煙化初年の2019年通期違法喫煙取り締まり状況公表…検挙数5000件超、カジノ内が約26%で最多

 世界的な健康意識の高まりを受け、マカオでは屋内公共エリア及び公園などの大半を禁煙とする「新禁煙法(喫煙予防及びコントロール法)」が2012年1月1日から施行され、市内ではマカオ政府衛生局(SSM)の法執行官(禁煙Gメン)が昼夜を問わず巡回取り締まりを行っている。

 その後、2018年1月に改正法が施行となり、マカオ国際空港とカジノに設置された喫煙所を除く屋内パブリックエリアを全面禁煙としたほか、屋外に関してもバス停・タクシー乗り場の周囲10メートルを新たに禁煙ゾーンに設定。コンビニエンスストア、スーパーマーケット、新聞スタンド等の店頭におけるたばこ製品の公開陳列が禁止となり、禁煙ゾーンにおける違反喫煙に対する罰金が従来の2.5倍に相当する1500マカオパタカ(日本円換算:約2万円)になるなど、各種罰金が大幅に引き上げられた。また、昨年(2019年)1月からはカジノフロアの全面禁煙化が実施されている。

 マカオのカジノ施設は、2014年10月6日からハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームが分煙、平場にあたるマスゲーミングフロアが全面禁煙となり、マスゲーミングフロアには喫煙ルームが設置された。昨年1月からはカジノフロアの全面禁煙化がスタート。喫煙はマスゲーミングエリア(いわゆる平場)とVIPルームのそれぞれに設置された政府認可済みの新基準をクリアした高規格の喫煙ルーム内でのみ可能となっている。

 カジノフロア内については、SSMとカジノ監理当局にあたるDICJが合同で取り締まりを行っている。SSMが1月6日に発出したプレスリリースによれば、昨年通期(1〜12月)の2部局による合同巡回場所は前年から38.2%増の延べ1187箇所、違反者は19.8%減の延べ1375人(うち83.1%がインバウンド旅客)に上った。

 昨年通期の禁煙Gメンによる巡回場所は2.1%減の延べ33万4646箇所(1日平均延べ917箇所)、違反検挙数は5337件。このうち、禁煙ゾーンでの違法喫煙行為が5.1%減の5311件で、違反場所についてはカジノが最も多く、全体の25.8%を占めた。

大型IR(統合型リゾート)スタジオ・シティ・マカオの高規格喫煙ルームを視察するマカオ政府社会文化庁の譚俊榮長官と衛生局の李展潤局長ら(資料)=2018年11月14日(写真:GCS)

大型IR(統合型リゾート)スタジオ・シティ・マカオの高規格喫煙ルームを視察するマカオ政府社会文化庁の譚俊榮長官と衛生局の李展潤局長ら(資料)=2018年11月14日(写真:GCS)

 新基準をクリアした高規格喫煙ルームの申請、認可状況は、12月31日までに35のカジノ施設から677室の申請があり、同日までに34のカジノ施設の642箇所を認可したとのこと。

 新禁煙法改正法施行後の2012年1月1日から昨年12月31日までの累計では、禁煙Gメンによる巡回場所が延べ229万4118箇所(1日平均延べ785箇所)、累計違反件数は延べ5万5649件。

 マカオでは増税によるたばこ製品の値上げや免税持ち込み範囲の縮小などの施策も相次いで講じられおり、愛煙家を取り巻く環境は厳しさを増している。SSMでは、喫煙者に対してたばこから距離を置き、法律を遵守し、早期に禁煙に取り組むよう呼びかけている。

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