マカオ、密航で逮捕された武漢滞在歴ある中国人が診察のため滞在中の病院から逃走…新型肺炎検査結果は陰性
- 2020/1/31 12:46
- 社会・政治
中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎(通称:武漢原因不明肺炎)について、世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。
本稿執筆時点(マカオ時間31日午後0時20分)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認者数は7人で、いずれも武漢からの旅客。最後の感染確認は27日夜で、以降の新規感染確認はない。
マカオ治安警察局は30日深夜、先に密入境の疑いで逮捕した中国・河南省出身の男(44)が体調不良を訴えたため、診察のためマカオ半島の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)へ移送したところ、同日午後7時頃に隙をみて窓から逃走したと発表。逃走時の男の服装は、白のパーカーの上に黒のジャケットを羽織り、浅い色のズボン、白のスニーカーを履いているとし、写真も公開した。
マカオ政府新型コロナウイルス感染対策センターは31日午前、前夜に山頂醫院から逃走した男について、新型コロナウイルス検査結果は陰性だったと発表。男は警察官によって山頂醫院の特別救急診断窓口に搬送された際、1月20日から24日かけて武漢に滞在し、発熱、鼻水、咽頭痛、咳などの症状があると訴えたため、新型コロナウイルス検査を実施したという。検査結果は陰性であり、医師は一般的な上気道感染症と診断したとし、市民に対して冷静になるよう呼びかけた。目下、警察が全力で男の行方を追っているとのこと。
マカオでは、1月27日から武漢市含む湖北省からの入境制限(過去14日以内に武漢市含む湖北省滞在歴のあるマカオ人以外に合法医療機関が発行した医師による新型コロナウイルス未感染証明書の提出を必須化)やマカオ滞在中の武漢市含む湖北省からの旅客に対する強制隔離(速やかに中国本土へ戻るか、マカオ残留を希望する場合は滞在許可期限あるいは旅程の終了まで集中統一管理下に置かれ、隔離施設に収容されること受け入れるかの選択)といった感染集中発生エリアと関係が深い人に対する防疫措置が講じられている。
【2月1日午前8時20分更新】
マカオ治安警察局は1月31日深夜、同日午後5時30分頃、タイパ島の廣東大馬路付近で病院から逃走した男の身柄確保に成功したと発表。男を非法入境及び脱走罪で送検するとした。なお、これまでのところ逃走中に別の犯罪に関わった形跡は確認されていないとのこと。