マカオのホテル客室稼働率16%にまで落ち込む…新型肺炎流行に伴うカジノ休業やインバウンド旅客減、休業も26軒に

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎(新型肺炎)。世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 マカオでは、新型肺炎に対する防疫対策が厳格化された1月後半以降、インバウンド旅客数が急減。2月5日からは防疫対策のさらなる強化でマカオの全カジノ施設が15日間の休業に入った。6日以降、宿泊客数減を理由に一時休業を発表するホテルが相次いでいる。

 2月12日夕方にマカオ政府新型コロナウイルス感染対策センターが開催した記者会見の中で旅遊局が明らかにした内容によれば、同日新たに3軒の2つ星以下のホテルが一時休業したとのこと。これまでに一時休業となったホテルの累計数は3〜5つ星のホテルが8軒、2つ星以下のホテルが18軒の計26軒に上る。参考までに、マカオの昨年末時点のホテル総数は123軒、提供客室総数は3.83万室。

 また、営業を継続しているホテルの客室稼働率は16%にまで落ち込んでいるとした。マカオの昨年通期の平均客室稼働率は前年から0.3ポイント下落の90.8%。年間最大の書き入れ時となる春節ゴールデンウィーク(1月24〜30日)の平均客室稼働率は前年の同じ時期から43.8ポイント下落となる52.9%にとどまり、業界に大きな衝撃を与えたが、以降さらに深刻な落ち込みに見舞われているようだ。

 このほか、コタイ地区にあるポウサダマリーナインファンテ(4つ星)は1月30日から政府が借り上げ、湖北省からの旅客の隔離施設として使われている。

 本稿執筆時点(マカオ時間2月12日午後6時)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認者数は累計10人で、内訳は7人が武漢からの旅客、3人がマカオ人。このうち武漢からの旅客2人が治癒し退院済み。2月5日以降、8日連続で新規感染確認ゼロが続いている。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

【資料】一時休業が発表されたマカオの3つ星以上のホテル
・グランド ハーバー ホテル(3つ星)2月6日〜
・フォーシーズンズ ホテル マカオ(5つ星)2月7日〜
・セントレジス マカオ(5つ星)2月7日〜
・コンラッド マカオ(5つ星)2月7日〜
・ソフィテルマカオ アット ポンテ16(5つ星)2月7日〜
・レジェンド パレス ホテル(5つ星)2月9日〜
・ロックス ホテル(3つ星)2月9日〜
・アルティラ マカオ(5つ星)2月10日〜

関連記事

最近の記事

  1.  このほどマカオのゲーミング規制当局(博彩監察協調局=DICJ)が公表した今年第1四半期(2025…
  2.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで4月14日から20日まで卓球シングルスの国際大会「…
  3.  マカオ金融管理局は4月16日、今年(2025年)3月末のマカオ特別行政区の外貨準備高(外匯儲備資…
  4.  マカオ治安警察局は4月16日、路上で小学生女児の尻を触ったとしてマカオ人の男(86)を逮捕したと…
  5.  マカオ政観(マカオ政府旅遊局/MGTO)が主催するマカオPRイベント「Journey To Ex…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年4月号
(vol.142)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun