MGMインターナショナル社、新型肺炎防疫対策に伴うマカオのカジノ施設休業で1日あたり約1.6億円の赤字見込む

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎。世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 マカオでは、防疫対策の一環として、2月5日からマカオの全カジノ施設が15日間の休業に入っている。一部のIR(統合型リゾート)では、宿泊客数の減少に伴い、併設するリゾートホテルの営業を一時休止するところも出てきた。2月13日までに一時休業となったホテルの累計数は3〜5つ星のホテルが8軒、2つ星以下のホテルが19軒の計27軒に上る。

 カジノの一時休業がIR運営企業のビジネスに与える影響も大きい。マカオのカジノIR運営大手、MGMチャイナの親会社にあたる米MGMインターナショナルはマカオ時間2月13日、昨年第4四半期及び通期の業績を発表。ジム・ムーレン会長兼CEOはアナリストからマカオにおける半月間のカジノ休業の影響を問われた際、「カジノ休業期間中は積極的なコスト抑制を図っている」とした上、「1日あたり赤字は約150万米ドル(日本円換算:約1億6480万円)で、大半が人件費である」と回答した。単純計算すれば、15日間の赤字は2250万米ドル(約24億7198万円)ということになる。

 MGMチャイナは業績発表広告の中で、再開が15日後、あるいは延期となるのかについては同社として予測することはできないが、客数減が第1四半期および以降の業績に重大な影響を与える可能性はあるだろうとした。

 MGMチャイナはマカオ半島新口岸地区で「MGMマカオ」、コタイ地区で「MGMコタイ」の2つの大型IRを運営している。

大型カジノIR「MGMコタイ」(資料)=マカオ・コタイ地区-本紙撮影

大型カジノIR「MGMコタイ」(資料)=マカオ・コタイ地区-本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  2.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun