マカオのホテル客室稼働率11.8%にまで落ち込む…強固な新型コロナ防疫策でインバウンド旅客激減

 新型コロナウイルスの流行を受けてインバウンド旅客数が急減しているマカオ。2月5日に防疫対策強化の一環として全カジノ施設が15日間の一時休業となって以降、IR(統合型リゾート)併設の高級リゾートホテルを含む29軒(3899室分)が一時休業に入った。

 その後、2月20日午前0時からカジノ施設の営業が再開したのを機に、一時休業中だったホテルも相次いで営業を再開している。

 マカオ政府は1月下旬以降、入境制限も含む強固な防疫措置を講じており、インバウンド旅客数は激減している。

 マカオ政府旅遊局のマリア・エレナ・デ・セナ・フェルナンデス局長が2月25日夕方の政府コロナウイルス対策センターの定例記者会見で明らかにした内容によれば、2月15日から21日までの1週間の営業中のホテルの平均ホテル客室稼働率は11.8%にまで落ち込んだとのこと。ホテル等級別では、5つ星ホテルが1桁だったという。また、1泊1室あたり平均客室単価は690マカオパタカ(日本円換算:約9500円)にとどまった。フェルナンデス局長は「(2003年の)SARS流行時を含め、ここ十数年来見たことのない数字」とした上、目下、事態終息後にツーリズム業界をサポートするリバイバルプランを準備しているとコメント。

 参考までに、マカオの昨年末時点のホテル総数は123軒、提供客室総数は3.83万室、昨年通期の平均客室稼働率は90.8%だった。

 なお、2月25日時点で一時休業中のホテル数は5つ星ホテル3軒を含む13軒(1543室分)とのこと。

 本稿執筆時点(マカオ時間2月26日午前9時40分)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認者数は累計10人で、内訳は7人が武漢からの旅客、3人がマカオ人。このうち武漢からの旅客7人が治癒し退院済み。2月5日以降、現在まで22日連続で新規感染確認ゼロが続いている。

2月25日夕方に開催されたマカオ政府新型コロナウイルス感染対策センターによる定例記者会見。右三がフェルナンデス旅遊局長(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染対策センター)

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