マカオ、31日連続で新型コロナの新規感染確認ゼロ…患者10人全員が治癒し退院、7日に湖北省滞在マカオ人帰還用チャーター機派遣

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは3月6日午後5時(現地時間、以下同)から定例記者会見を開催。同センターによれば、直近24時間以内に新たな新型コロナウイルス感染確認例はなかったとのこと。マカオにおける直近の新規感染確認は2月4日のことで、31日連続で新規感染確認ゼロとなった。

 マカオ域内における累計患者数は10人で、最初の7人が武漢からの旅客、その後の3人がマカオ人。同日午後、新たにマカオ人の女性1人(64)が治癒し退院(入院期間34日間)。最後の患者が退院したことを受け、マカオの新型コロナ指定医療機関となっている仁伯爵綜合醫院の隔離病室はおよそ1ヶ月半ぶりに患者がいない状態となった。重症化、死亡、院内感染のいずれもなかったとのこと。

 なお、武漢からの旅客は退院後すぐに専用車両で中国本土へ戻り、マカオ人についてはは再発症リスクを考慮して自宅へは戻さず、隔離施設へ移送して経過観察が行われている。

3月6日夕方に開催されたマカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見(写真:GCS)

 このほか、封鎖状態が続く湖北省に滞在中のマカオ人をマカオ航空のチャーター機を使って帰還させる計画について、その第一便に関する詳細も明らかになった。第一便は7日午前9時30分頃にマカオから武漢へ向けて出発し、現地で帰還者を搭乗させ、同日午後5時30分頃にマカオへ到着する予定。今回の搭乗対象者は武漢市及びその周辺に滞在している人で、発熱や咳の症状、医療機関訪問歴、患者との接触歴がいずれもなく、武漢空港まで自力で来ることができるという条件を満たした59人といい、搭乗前に再度健康状態の確認が行われ、最終的な搭乗可否が判断される。チャーター機の乗員はマカオ航空のパイロットが3人、フライトアテンダントが4人、エンジニアが1人。マカオ政府から衛生局の医師3人、看護師3人、旅遊局の2人が同行する。帰還者及び衛生局の医師と看護師を除く同行者はマカオ到着後、14日間にわたってコロアン島にある医療施設で隔離される。

 マカオ政府は1月後半以降、一連の春節祝賀イベントやMICEイベントの中止、世界遺産含む文化施設の一時休館、カジノ及びレジャー・娯楽施設の一時休業(カジノは2月5日から19日まで、レジャー・娯楽施設は同日から3月1日まで)といった観光都市としての魅力をあえて消すと同時に、中国本土及び他の高発生地区(現時点では韓国、イタリア、イラン)との往来を物理的に制限すること、マカオ住民に対しても全学校の休校(継続中)や政府窓口の一時休止(3月2日から限定的に解除)を含む不要不急の外出を控えさせる策などを講じることで、これまでのところ流行阻止に成功している。

 入境制限を含む厳格な防疫対策を堅持されており、インバウンド旅客は激減したままだ。アジア有数の観光都市とあり、経済的打撃は大きく、試練の日々が続いている。

衛生局医療スタッフから防護グッズに着用についてレクチャーを受けるチャーター機の乗員ら(写真:GCS)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  2.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun