マカオ政府が武漢にチャーター機派遣…現地滞在マカオ居民57人が帰還、隔離施設へ
- 2020/3/7 21:44
- 社会・政治
封鎖中の湖北省に滞在するマカオ居民(マカオ居留権保有者)を帰還させるためマカオ政府が派遣したチャーター機(マカオ航空NX9607便)が3月7日現地時間(以下同)午後4時51分に武漢天河国際空港を出発し、午後6時26分にマカオ国際空港へ到着した。
今回の第一便でマカオへ帰還した人の数は31家族57人(年齢:0歳3ヶ月〜77歳)で、空港へのアクセスが比較的容易な(移動中の感染リスクを考慮)武漢市及びその周辺に滞在し、発熱や咳の症状、医療機関訪問歴、患者との接触歴がいずれもなく、武漢空港まで自力で来ることができるという条件を満たした上、搭乗前の健康検査をクリアした人たちという。なお、搭乗前検査で中国税関当局が基準とする37.3℃を超える37.5℃の熱があった男性(16歳の学生)がおり、出境を許可されなかったとのこと。
第一便には帰還者のほか、乗員としてマカオ航空のパイロット2人、フライトアテンダント4人、エンジニア1人、マカオ政府衛生局の医師3人、看護師3人、旅遊局の職員2人が搭乗。帰還者は衛生局スタッフの指導の下、防護服を着た状態で搭乗し、機内のトイレは使用していないという。すべての帰還者と乗員(衛生局の医師と看護師を除く)はマカオ到着後、14日間にわたって前者はコロアン島にある公共衛生臨床センターと後者は政府が隔離施設として借り上げているホテル、ポウサダ・マリナ・インファンテでそれぞれ隔離される。また、使用機材(機種:エアバスA321、機体番号:B-MCC、愛称:和光號)についても、今後7日間は運用から外されるとのこと。
今回のチャーター機の派遣にかかる費用はマカオ政府が負担で、帰還者は現地滞在先から武漢武漢天河国際空港までの移動にかかる交通手段の手配と費用のみ自己責任とされた。
一部が帰還したことにより、現在も湖北省内に残るマカオ居民119人となった。政府は救援第二便以降について、現地空港へのアクセス手段など調整事項も多く、第一便での経験をベースに検証を行う必要もあることなどから、現時点で具体的なメドは立っていないとしている。
マカオ政府がチャーター機を派遣して外地に滞在するマカオ居民を帰還させるのは2008年(派遣先:タイ)以来のこと。
本稿執筆時点(3月7日午後9時20分)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認者数は累計10人で、内訳は武漢からの旅客が7人、マカオ人が3人。3月6日までに10人全員が治癒し退院済み。直近の新規感染確認は2月4日で、32日連続で新規感染確認ゼロが続いている。