マカオ、32日連続で新型コロナの新規感染確認なし…患者全員退院済みで域内患者ゼロ状態続く=武漢からチャーター機で居民57人が帰還
- 2020/3/8 9:30
- 社会・政治
中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。
マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは3月7日午後7時(現地時間、以下同)からマカオ国際空港で記者会見を開催。同センターによれば、直近24時間以内に新たな新型コロナウイルス感染確認例はなかったとのこと。マカオにおける直近の新規感染確認は2月4日のことで、32日連続で新規感染確認ゼロとなった。
マカオ域内における累計患者数は10人で、最初の7人が武漢からの旅客、その後の3人がマカオ人。3月6日までに全員が治癒し退院済みで、以降マカオ域内における患者ゼロ状態が続いている。重症化、死亡、院内感染のいずれもなかった。
なお、武漢からの旅客は退院後すぐに専用車両で中国本土へ戻り、マカオ人については再発症リスクを考慮して自宅へは戻さず、隔離施設へ移送して14日間の経過観察が行われている。
このほか、7日には封鎖状態が続く湖北省に滞在中のマカオ居民(マカオ居留権保有者)を帰還させるためにマカオ政府が用意したチャーター機の第一便がマカオ国際空港と武漢天河国際空港の間を往復。第一便の帰還者は空港へのアクセスが比較的容易な(移動中の感染リスクを考慮)武漢市及びその周辺に滞在し、発熱や咳の症状、医療機関訪問歴、患者との接触歴がいずれもなく、武漢空港まで自力で来ることができるという条件を満たした上、搭乗前の健康検査をクリアした人たちで、31家族57人が午後6時30分頃にマカオへ到着。その後、コロアン島にある公共衛生臨床センターに移送され、14日間にわたて隔離が行われる。マカオ政府衛生局によれば、マカオ到着後すぐに実施した新型コロナウイルス核酸検査(NAT=Nucleic Acid Test)の結果が8日にも判明し、隔離期間中に少なくとも3回の検査を実施予定とのこと。域内の状況が落ち着く中、帰還者の感染の有無に対する市民の関心は高い。湖北省には依然として120人程度のマカオ居民が残っている。
マカオ政府は1月後半以降、一連の春節祝賀イベントやMICEイベントの中止、世界遺産含む文化施設の一時休館、カジノ及びレジャー・娯楽施設の一時休業(カジノは2月5日から19日まで、レジャー・娯楽施設は同日から3月1日まで)といった観光都市としての魅力をあえて消すと同時に、中国本土及び他の高発生地区(現時点では韓国、イタリア、イラン)との往来を物理的に制限すること、マカオ住民に対しても全学校の休校(継続中)や政府窓口の一時休止(3月2日から限定的に解除)を含む不要不急の外出を控えさせる策などを講じることで、これまでのところ流行阻止に成功している。
入境制限を含む厳格な防疫対策を堅持されており、インバウンド旅客は激減したままだ。アジア有数の観光都市とあり、経済的打撃は大きく、試練の日々が続く。
政府新型コロナウイルス感染症対策センターでは、近日マカオと外地を往来する人の数が増加傾向にあるとし、マカオで徹底した防疫対策が講じられている中、新たな感染拡大リスクを軽減するため、中国本土の往来を往来を避けるよう呼びかけている。