武漢からチャーター機でマカオに帰還した57人全員が陰性…14日間でウイルス検査3回実施…自宅での隔離へ移行
- 2020/3/20 9:14
- 社会・政治
マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは3月19日午後5時(現地時間、以下同)から開催した定例記者会見の中で、同月7日にマカオ政府が用意したチャーター機の第一便で武漢からマカオに帰還した57人の最新状況を明らかにした。
マカオ国際空港到着後、57人は隔離場所となるコロアン島にある公共衛生臨床センターに直接移送され、潜伏期間とされる14日間の医学観察が行われている。政府衛生局の李展潤局長によれば、期間中、3回にわたって新型コロナウイルス核酸検査(NAT=Nucleic Acid Test)を実施し、結果は全員が3回とも陰性で、発熱や呼吸器系の症状もなかったとのこと。医学観察期間が20日に満了することから、以降は14日間の自宅での隔離に移行するとした。また、同行した衛生局の医療スタッフ、旅遊局スタッフ、マカオ航空の乗員についても感染はなく、今回の救援任務は関係各所の努力と協力の下、成功を収めることができたと感謝を述べた。
第一便の対象者は武漢天河国際空港へのアクセスが比較的容易な(移動中の感染リスクを考慮)武漢市及びその周辺に滞在し、発熱や咳の症状、医療機関訪問歴、患者との接触歴がいずれもなく、空港まで自力で来ることができるという条件を満たした上、搭乗前の健康検査をクリアした人たちだった。依然として封鎖が続く武漢を含む湖北省には現在も100人以上のマカオ居民が残留しているという。チャーター機の第二便以降の予定は未発表となっている。
本稿執筆時点(3月20日午前9時)のマカオにおける累計患者数は17人。2月4日までに武漢からの旅客が7人、マカオ人が3人の感染が確認されて以降、40日間にわたって新規感染確認ゼロが続いたが、今週に入って以降、中国以外の海外からの輸入症例が相次いでいる。2月4日以前の感染確認者については、3月6日までに全員が治癒し退院済みで、重症化、死亡、院内感染例はいずれもなかった。
目下、指定医療機関となる仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)の隔離病室で入院治療を受けているのは、今週感染確認された7人。19日夕方の記者会見では、重症化した人はおらず、いずれも容体は良好であるとされた。隔離病室のキャパシティについては、232の病床を準備しており、医療スタッフも充足しているとのこと。
世界的に流行が拡大する中、政府は輸入例に対する警戒を強めており、17日午前0時から過去14日以内に外国(中国本土・香港・台湾を除く)に滞在したすべての入境者に対して隔離下における14日間の医学観察を必須とし、18日午前からは非居民(マカオ居民IDカード保有者、中国本土・香港・台湾の居民、「ブルーカード」と呼ばれるマカオで就労許可(就労ビザ)を得た者に発給される身分証を保有者以外)の入境が禁止に。さらに、19日午前0時からは前日の措置で入境禁止の対象外だった「ブルーカード」保有者が禁止対象へ変更された。近日、水際対策は矢継ぎ早に変更(強化)されており、最新情報の把握が重要となっている。