マカオ政府、8回目の市民向けマスク有償配給スタート…1人1日1枚ずつ割り当て、売値は10日分10枚で約110円

 中国・湖北省武漢市での集中発生に端を発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、世界各地で感染が拡大する中、国際観光都市マカオでも、状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオでは、政府が防疫対策の一環として今年1月下旬からマスクの着用を呼びかけている。公共路線バスやタクシーを利用する際、役所、銀行、小売店、飲食店まで、マスク着用を必須とするところがほとんど。マカオの街では、マスクを着用していない人を見かけるのは非常に稀だ。

 マカオ政府は1月下旬にマスク着用を呼びかけると同時に、まず政府が抱える在庫の放出と世界各地からの調達を通じて2000万枚を確保した上、市民が確実にマスクを入手できるよう有償配給制度を立ち上げた。その後もマスクの調達は続けているという。

 マスクの有償配給はマカオ市民(マカオ居民及び就労ビザ保有者)を対象とし、1人あたり10枚1組を政府が定めた原価とされる8マカオパタカ(日本円換算:約110円)で公立クリニックや薬局等の特設窓口で販売するもの。これまで10日おきに7回実施された。

マカオ政府が市民向けに有償配給するマスクの仕分け作業の様子=2020年4月1日(写真:DSEJ)

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは4月1日、第8回のマスク有償配給を2日から10日間にわたって実施すると発表。割当枚数と売値は前回までと同様とした。同センターによれば、第7回の配給枚数は約600万枚、第1回から7回までの累計配給枚数は約4000万枚に上ったとのこと。

 マスクの仕分け作業は4月1日から政府衛生局と教育青年局が合同で募集した「青年防疫ボランディア」の学生が担当。520人の募集枠は半日以内でいっぱいになったという。今回のボランティア期間は12日までで、2回目以降についても募集予定があるとのこと。マカオの学校(全ての幼・保、小中高、高等教育機関)は春節(旧正月)から長く休校となっており、再開時期が見通せない状況。

 李偉農(レイ・ワイノン)マカオ経済財政長官は3月26日のマカオ立法会で、(その時点で)マスクの有償配給を第10回(4月末頃)まで実施できる見通しであることを明らかにしている。第11回目以降の実施の有無については、今後の流行状況やマスクの調達状況次第となりそうだ。

 本稿執筆時点(4月2日午前9時10分)のマカオにおける累計患者数(感染確認)は41人。3月15日まで40日連続新規感染確認ゼロを記録したが、以降は約半月で31人増えた。初期の患者10人は武漢からの旅客7人とマカオ居民(「マカオIDカード」保有者)3人で、3月6日までに全員が治癒し退院済み。3月中旬以降に確認された患者31人については、すべて中国以外の外国からの輸入症例となっている。目下、31人は指定医療機関となる仁伯爵綜合醫院あるいはコロアン島の公共衛生臨床センターの陰圧病室で入院治療を受けており、1人が重症で人工呼吸器を使用、その他は軽症とのこと。

マカオ政府が市民向けに有償配給するマスクの仕分け作業の様子=2020年4月1日(写真:DSEJ)

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