フィッチ、マカオの格付け「AA」を維持…香港は「AA-」に格下げ
- 2020/4/21 9:41
- 産業・経済
格付け会社フィッチ・レーティングスはマカオ時間の4月20日、マカオの長期外貨建て債務の格付けについて「AA」、格付けの将来展望についても「ネガティブ」を維持すると発表。「AA」評価は上から3番目となる。
同社は格付けを維持した主な理由として、マカオ特別行政区の豊富な財務力と安定した対外収支状況、さらには政府による厳格な財政規律を挙げ、デフォルトリスクは極めて低いと評価。また、経済の適度な多元化及び安定的成長モデルへの転換はマカオ経済の長期的な発展に寄与するものだと加えた。
マカオ金融管理局は、フィッチの発表を受けてプレスリリースを発出。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により、世界経済が深刻な影響に直面する中、マカオ特別行政区は信頼性の高い政策スキーム、信頼できる為替連動制度、安定した対外収支状況、厳格な公的財政規律、健全な金融システムを擁することなどから、これらが持続的かつ有効的に信用力をサポートし、目下の危機にに対抗できる経済靭性となっているとした。
なお、将来展望が「ネガティブ」に後退したのは前回発表(2019年12月16日)においてのこと。この際、その理由として「観光・ゲーミング(カジノ)業界において、将来的に主要な輸出市場の経済成長の鈍化の影響を受けたり、外的ネガティブ要素に引きずられる可能性がある」と指摘されていた。
このほか、マカオとともに中国の特別行政区となっている香港の格付けは「AA」から「AA-」、格付けの将来展望については「ネガティブ」から「安定」へとそれぞれ変更された。