マカオ、3月のインバウンド旅客数は対前年93.7%減…新型コロナの影響甚大

 マカオ政府統計調査局は4月28日、今年(2020年)3月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 マカオでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下、1月下旬から入境制限を含む厳格な防疫措置が講じられる中、3月のインバウンド旅客数は前年同月から93.7%減の21万2311人(延べ、以下同)にとどまった。前月(2月)からは35.8%増。2月は防疫措置の一環として15日間にわたって(2月5〜19日)カジノ施設が休業した。

 3月のインバウンド旅客全体のうち、宿泊を伴う旅客は92.0%減の12万5896人、日帰り旅客は95.2%減の8万6415人。旅客の平均滞在時間は1.8日延びて3.0日に。内訳は宿泊を伴う旅客が2.5日延びて4.7日、日帰り旅客は横ばいの0.2日。

 国・地域別で最多だったのは香港で、81.5%減の11万1347人。次いで、中国本土旅客が96.3%減の8万8890人。中国本土の個人旅客に限ると99.4%減の6813人。中国本土旅客が全体に占める割合は41.9%。その他についても軒並み9割超の減少で、日本は99.4%減の208人だった。

 入境ルート別では、陸路が91.9%減の20万3238人。陸路の内訳では、マカオ半島北部の關閘が95.5%減の8万0191人、港珠澳大橋が78.2%減の10万9979人。空路は97.1%減の8950人、海路は香港及び広東省深センとの間の高速船が運休中のため、わずか123人にとどまった。

 1〜3月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から68.9%減の321万9170人。このうち中国本土旅客は69.2%減の229万3229人で、全体に占める割合は71.2%。

 参考までに、昨年通期のインバウンド旅客数は前年から10.1%増の3940万6181人で、3年連続で過去最多を更新。中国本土旅客が占める割合は約7割だった。

新型コロナの影響でインバウンド旅客が激減したマカオ。写真は観光名所、世界遺産・聖ポール天主堂跡=2020年4月13日本紙撮影

 世界的に流行が拡大する中、マカオ政府は輸入例に対する警戒を強めており、3月中旬以降、水際対策の強化が進んでいる。同月25日からは、1)マカオ居民:入境可能だが、過去14日以内に外国、香港、台湾滞在歴がある場合、政府指定場所における14日間の隔離検疫の対象。2)外国人:入境禁止。3)中国本土・香港・台湾居民:過去14日以内に外国滞在歴がある場合は入境禁止。4)中国本土・香港・台湾居民:過去14日以内に香港または台湾滞在歴がある場合は入境可能だが政府指定場所における14日間の隔離検疫の対象。5)中国本土・香港・台湾居民:過去14日以内に外国、香港、台湾の滞在歴がない場合は入境可だが高流行エリア(広東省、河南省、浙江省、重慶市、北京市、上海市)からの入境については医学検査ステーションにおいて医学検査を受けることが必須。6)過去14日以内に湖北省に滞在した非マカオ居民または中国本土籍のブルーカード保有者は入境にあたって新型コロナウイルス未感染証明書の提出が必須となり、「ほぼボーダー封鎖」ともいえる厳格な措置が講じられている。マカオ国際空港では3月25日からトランジット(乗り継ぎ)サービスを一時中止中で、4月15日以降は政府民航局がマカオ国際空港へ乗り入れる航空会社に対し、マカオ到着便の乗客に出発地の医療機関が発出した新型コロナウイルス核酸検査(NAT=Nucleic Acid Test)結果が陰性であることを証明する書類の提示を求め、提示できない場合は搭乗を拒否するよう通達している。

 アジア有数の観光都市にとって経済的打撃は大きく、試練の日々が続く。

 なお、3月の月次カジノ売上は前年同月から79.7%減、前月から69.4%増となる52.57億マカオパタカ(日本円換算:約702億円)、1〜3月累計では前年同時期から60.0%減の304.86億マカオパタカ(約4073億円)だった。

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