マカオ、32日連続新型コロナ新規感染確認なし…累計患者数45人中41人が治癒し退院=高校に続き中学校も再開

 中国・湖北省武漢市での集中発生に端を発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、世界各地へ流行が拡大する中、国際観光都市マカオでも、状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは5月10日午後5時(現地時間、以下同)から定例記者会見を開催。同センターによれば、直近24時間以内に新たな新型コロナウイルス感染確認例はなかったとのこと。マカオにおける直近の新規感染確認は4月8日のことで、実に32日連続で新規感染確認ゼロとなった(輸入関連性症例に限ると43日連続ゼロ)。また、同日1人(留学先の英国からマカオへ戻った19歳の女子学生)が治癒し退院したことも明らかにした。入院期間は50日間。

 マカオでは1月末から2月初旬にかけて10人の感染が確認された後、3月15日まで40日連続新規感染確認ゼロを記録したが、以降は外国からの帰国ラッシュもあり、4月8日までに35人増え、感染確認者の累計45人(輸入性症例が43人、輸入関連性症例が2人)となった。マカオでは無症状であっても検査で陽性であれば感染確認者と見なされ、指定医療機関に入院して治療を受けることになっている。初期の患者10人は武漢からの旅客7人とマカオ居民(「マカオIDカード」保有者)3人で、3月6日までに全員が治癒し退院済み。3月中旬以降に確認された患者35人についても、すべて中国以外の外国からの輸入性あるいは輸入関連性症例で、その多くがマカオ到着時のイミグレーション施設における検疫、あるいはマカオ到着後の隔離下における医学観察期間中に発見されており、これまでのところ市中感染例はない。

 累計退院者数は41人となり、現在は4人が指定医療機関となるコロアン島の高頂公共衛生臨床センターの陰圧病室で入院治療中。全員が軽症で容体は安定しているとのこと。マカオの指定医療機関(2施設)には陰圧病床が232床あり、人工呼吸器72台、人工心肺装置(ECMO)3台を擁し、設備、医療スタッフとも充足している。死亡例、院内感染例もゼロ。退院後も再発症リスクを考慮して隔離施設(高頂公共衛生臨床センター)の陰圧病室で14日間の経過観察、その後も14日間の自宅待機を必須とする措置が講じられている。

 マカオにおける患者の入院期間は3週間前後となっているが、現在も入院中の4人については、入院期間が7〜8週間に達している。患者の容体は安定しており、肺炎の症状もなおものの、新型コロナウイルス核酸検査(NAT=Nucleic Acid Test)で依然として陽性反応が確認されており、中国国家衛生健康委員会が定めた退院基準を満たせない状況とのこと。マカオは人口密度が高く、市民が憂慮する状況もある中、マカオ政府衛生局は現時点で退院基準を変更する必要はないとしている。

 このほか、マカオではきょう(5月11日)から初中(日本の中学校に相当)が再開となった。先週(5月4日)の高中(高校)に続くもので、再開にあたり全教職員が新型コロナウイルス核酸検査を受け、結果は全員が陰性だった。小学校、幼稚園、特殊教育学校については再開のメドは示されていないが、すでに小学校教職員に対する核酸検査は実施されているとのこと。

5月10日夕方に開催されたマカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

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