マカオ、34日連続新型コロナ新規感染確認なし…累計患者数45人中42人が治癒し退院=救急支援チームをアフリカに派遣

 中国・湖北省武漢市での集中発生に端を発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、世界各地へ流行が拡大する中、国際観光都市マカオでも、状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは5月12日午後5時(現地時間、以下同)から定例記者会見を開催。同センターによれば、直近24時間以内に新たな新型コロナウイルス感染確認例はなかったとのこと。マカオにおける直近の新規感染確認は4月8日のことで、実に34日連続で新規感染確認ゼロとなった(輸入関連性症例に限ると45日連続ゼロ)。

 マカオでは1月末から2月初旬にかけて10人の感染が確認された後、3月15日まで40日連続新規感染確認ゼロを記録したが、以降は外国からの帰国ラッシュもあり、4月8日までに35人増え、感染確認者の累計45人(輸入性症例が43人、輸入関連性症例が2人)となった。マカオでは無症状であっても検査で陽性であれば感染確認者と見なされ、指定医療機関に入院して治療を受けることになっている。初期の患者10人は武漢からの旅客7人とマカオ居民(「マカオIDカード」保有者)3人で、3月6日までに全員が治癒し退院済み。3月中旬以降に確認された患者35人についても、すべて中国以外の外国からの輸入性あるいは輸入関連性症例で、その多くがマカオ到着時のイミグレーション施設における検疫、あるいはマカオ到着後の隔離下における医学観察期間中に発見されており、これまでのところ市中感染例はない。

 累計退院者数は42人で、現在は3人が指定医療機関となるコロアン島の高頂公共衛生臨床センターの陰圧病室で入院治療中。全員が軽症で容体は安定しているとのこと。マカオの指定医療機関(2施設)には陰圧病床が232床あり、人工呼吸器72台、人工心肺装置(ECMO)3台を擁し、設備、医療スタッフとも充足している。死亡例、院内感染例もゼロ。退院後も再発症リスクを考慮して隔離施設(高頂公共衛生臨床センター)の陰圧病室で14日間の経過観察、その後も14日間の自宅待機を必須とする措置が講じられている。退院後の経過観察において再陽性が確認された3人について、このうち2人が同日までに三度の核酸検査(NAT=Nucleic Acid Test)で陰性となったことから、自宅待機に移ったとした。

マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見=2020年5月12日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

 このほか、マカオの国際救急支援隊をアフリカのアルジェリアに派遣することも発表された。アルジェリアはアフリカの中でも新型コロナの流行が深刻な地域で、感染者数は約4000人、死亡率は9%超に達し、医療システムに与える影響も極めて大きいとのこと。マカオチームは医師、看護師、疫学者、人道支援の専門家ら5人で構成され、13日に出発し、中国の重慶チームと合流した上、現地到着後は衛生部門への防疫経験の共有、医師との学術交流、医療機関への防疫及び管理プログラムの指導、特定地域における調査研究、公務員への防疫トレーニング、市民への衛生教育などの任務にあたるという。

 また、先に香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が香港、マカオ、広東省の三地における状況が落ち着いてきたことを受け、先行して三地間の往来制限を緩和する考えを示したことについて、マカオ側でも方向性は同じであるとした上、三地の関係当局間で実現のための詳細を詰める必要があるとし、動きがあり次第、速やかに発表するとした。

アルジェリアに派遣されるマカオの国際救急支援隊の出発式=2020年5月9日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

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