マカオの20年1〜5月累計カジノ税収56.5%減の約2854億円…新型コロナ余波

 このほどマカオ政府財政局が公表した最新の財政収支データによれば、今年(2020年)1〜5月累計の歳入は前年同時期から26.8%減の406億1254.7万マカオパタカ(日本円換算:約5510億円)で、年度(1〜12月)予算執行率は37.0%だった。

 このうち、ゲーミング(カジノ)税収は56.5%減の210億3519.3万マカオパタカ(約2854億円)。年度予算執行率は42.1%で、歳入に占めるゲーミング税の割合は51.8%にとどまった。通常は歳入の約8割を占めるが、ゲーミング税収の大幅減に加え、財政準備からの補填分が計上(後述)されたことによって割合が小さくなった。

 歳出は38.1%増の323億8174.0万マカオパタカ(約4394億円)で、年度予算執行率は29.5%。経常性費用が46.9%増、資本性費用が20.5%減だった。

 財政収支は82億3080.7万マカオパタカ(約1116億円)の黒字、前年同期比では74.3%の大幅なマイナスだった。

 ゲーミング税はカジノ粗収益(Gross Gaming Revenue=GGR)がベースとなる(*註)。今年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴う入境制限を含む防疫対策強化等によってインバウンド旅客数が激減し、GGRを直撃した。1〜5月累計のGGRは73.7%の大幅減となる330.04億マカオパタカ(約4476億円)にとどまっている。

 なお、今年4月に新型コロナの影響を考慮し、カジノ税収の半減による歳入減と防疫・経済支援策による歳出増を見込み、財政準備から389.5億マカオパタカ(約5282億円)を補填する内容を盛り込んだ2020年度改正予算案が立法会で可決された。4月以降の財政収支データは改正後の数値が反映されるため、当初予算ベースだった3月までのものと比較して差異が生じている。

(*註)マカオのカジノに対する実効税率は約38〜39%。GGRの35%に加え、マカオファウンデーションへの拠出分として1.6%、インフラ・観光・社会保障基金への拠出分が2.4%(SJM社のみ1.4%)。

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

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