マカオ、19日連続で新型コロナ新規感染確認なし…輸入関連性に限ると108日連続…マカオ〜広東省間の水際対策緩和がスタート

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大する中、国際観光都市マカオでも、状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは7月15日午後5時(現地時間、以下同)から定例記者会見を開催。新型コロナウイルス新規感染確認は19日連続ゼロ、輸入関連性症例に限ると実に108日連続ゼロだったとのこと。

 マカオにおける累計感染確認者は46人で、内訳は輸入性症例が44人、輸入関連性症例が2人。5月19日までに45人が治癒し退院済みで、現在入院中は6月26日に感染が確認された外国からの帰国者(帰国日は6月25日)の男性1人のみ。

 マカオでは無症状であっても検査で陽性であれば感染確認者と見なされ、指定医療機関に入院して治療を受けることになっている。入院期間は平均3〜4週間、退院後も再発症リスクを考慮して隔離施設(高頂公共衛生臨床センター)の陰圧病室で14日間の経過観察、その後も14日間の自宅待機を必須とする多重の安全措置が講じられている。また、マカオの新型コロナ指定医療機関(2施設)には陰圧病床が232床あり、人工呼吸器72台、人工心肺装置(ECMO)3台を擁し、設備、医療スタッフとも充足している。市中感染、院内感染例とも発生しておらず、死亡例もゼロ。

 現時点での唯一の入院患者は、マカオ政府が在外マカオ人の帰国希望に応えるため、6月17日から7月16日までの期間限定で特別運航する香港国際空港とマカオを結ぶ高速船を利用してフィリピンからの帰国し、入境直後のウイルス核酸検査で陽性が確認された輸入性症例。帰国時に症状はなかったとされる。

 特別便の利用には事前登録が必要で、登録者数は記者会見時点で1831人に上り、すでに1693人が帰国したとのこと。帰国希望者の滞在先には新型コロナ高流行エリアも含まれることから、衛生局では前回の帰国ピーク時(3月下旬から4月頭、この際は香港国際空港から港珠澳大橋を経由する専用バスでの輸送)と同様、帰国者数の一定の割合で輸入例が確認されることもあり得るとしている。なお、流行状況が深刻な6ヶ国(インド、パキスタン、バングラデシュ、インドネシア、ブラジル)からの利用者について、6月26日に現地の信頼できる医療機関が発行した新型コロナウイルス陰性証明書の提示を必須化すると発表し、即適用された。マカオ出発便の乗客についても、14日午前6時以降は7日以内に発出された新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明の提示が必須となる。特別便の運航は予定通り16日で終了することも明らかにされた。

マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見=2020年7月15日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

 このほか、中国本土については状況が落ち着いたことを受け、15日午前6時からマカオと広東省の間における水際対策が緩和された(14日間の隔離検疫の撤廃、諸条件有り)。同日午後4時までにマカオと広東省の間にある4つの陸路のイミグレーション施設を経由してマカオ入りした旅客数は延べ1600人で、前日から5割増だったとのこと。

 この措置に対する予防措置として、政府はマカオのカジノ施設では15日午前0時から従来からの措置であるマスク着用、検温、有効な健康コード(直近の滞在歴、新型コロナ患者との接触歴の有無、発熱や咳といった症状の有無、連絡先を入力して生成されるもの)の提示に加え、新たに新型コロナウイルス核酸検査陰性証明書の提示を入場時の必須条件とした。また、リゾート施設(いわゆるIR)及びホテル等の宿泊施設へ入館する際も、従来の検温に加えて15日午前0時以降は有効な健康コードの提示も必須化。飲食・小売業界についても、従業員の勤務中のマスク着用をも求めた。

 マカオでは今年1月下旬以降、入境制限を含む厳格な防疫措置が講じられている。海外からの輸入症例を阻止するため、3月後半以降、水際対策が一層強化され、現在まで維持されている。市民生活は不便を余儀なくされ、インバウンド旅客の激減に伴う経済への打撃も大きい。マカオ政府は水際対策と同時に、市民が1日1枚のマスクを確実に入手できるよう1月下旬にマスク有償配給制度の立ち上げ、毎年恒例で実施している市民への現金配布の前倒し実施や電子商品券の配布といった民生、経済支援対策も実施している。マスクの有償配給はこれまで17回にわたって実施され、7月11日から10日間にわたる第18回の販売がスタートしている。累計販売枚数は1億枚を突破した。

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