マカオ、33日連続新型コロナ新規感染確認なし…輸入関連性症例に限ると122日連続=入院患者全員退院済みで死亡例ゼロ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大する中、国際観光都市マカオでも、状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは7月29日午後5時(現地時間、以下同)から定例記者会見を開催。マカオ域内における新型コロナウイルス新規感染確認は33日連続ゼロ、輸入関連性症例に限ると実に122日連続ゼロだったことを明らかにした。

 これまでの累計退院者数は46人で、7月17日までに全員が退院済み。3月7〜14日と5月20日〜6月25日に続いて新型コロナ流行下で三度目の入院患者ゼロ状態に入っている。

 一度目、二度目とも海外からの帰国ラッシュに伴う新規の輸入性症例によって記録が途切れた。海外からの帰国者のためにマカオ政府が1ヶ月間にわたって香港国際空港とマカオの間で運航した高速船の特別便は当初予定通り7月16日で運航を終了。帰国者1767人のうち新規感染確認は1人にとどまった。

 目下、厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び広東省における状況が落ち着いてきたことを受け、7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された。条件の一つとなる広東省内の移動可能地域が29日午前6時から広東省全域に拡大となっている。

 マカオでは無症状であっても検査で陽性であれば感染確認者と見なされ、指定医療機関に入院して治療を受けることになっている。入院期間は平均3〜4週間、退院後も再発症リスクを考慮して隔離施設(高頂公共衛生臨床センター)の陰圧病室で14日間の経過観察、その後も14日間の自宅待機を必須とする多重の安全措置が講じられている。また、マカオの新型コロナ指定医療機関(2施設)には陰圧病床が232床あり、人工呼吸器72台、人工心肺装置(ECMO)3台を擁し、設備、医療スタッフとも充足。市中感染、院内感染例とも発生しておらず、死亡例もゼロを達成している。

 マカオでは今年1月下旬以降、入境制限を含む厳格な防疫措置が講じられている。海外からの輸入症例を阻止するため、3月後半以降、水際対策が一層強化され、現在まで維持されている。市民生活は不便を余儀なくされ、インバウンド旅客の激減に伴う経済への打撃も大きい。マカオ政府は水際対策と同時に、市民が1日1枚のマスクを確実に入手できるよう1月下旬にマスク有償配給制度の立ち上げ、毎年恒例実施している市民への現金配布の前倒しや電子商品券の配布といった民生、経済支援対策にも乗り出している。マスクの有償配給はこれまで19回にわたって実施され、31日から第20回の販売がスタートする予定。これまで10日に一度だったが、第20回については30日間の実施で、一回あたりの販売枚数を10枚1組で8マカオパタカ(日本円換算:約105円)から30枚1組で24マカオパタカ(約315円)に変更するとのこと。第19回までの累計販売枚数は約1.08億枚に上ったという。近日、マカオのドラッグストアなどの小売店におけるマスクの在庫が充足し、供給も安定してきたことを挙げ、第21回以降の有償配給の一回あたりの販売枚数は未定とした。

 このほか、29日の記者会見時点でマカオ政府指定施設(ホテル、漁船、衛生局施設)で14日間の医学観察(隔離検疫)を受けている人の数は1232人とのこと。28日午後7時頃、ホテルで医学観察を受けている人のうち1人が伝染病予防法に違反し、客室から出て館内の別のフロアに移動していたことが判明。警備員に発見され、客室に戻されたという。違反者は刑事責任を追及されるほか、強制隔離措置が講じられる可能性がある。

マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見=2020年7月29日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

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