マカオ、52日連続新型コロナ新規感染確認なし…輸入関連性症例に限ると141日連続=死亡例ゼロ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大する中、国際観光都市マカオでも、状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは8月17日午後5時(現地時間、以下同)から定例記者会見を開催。マカオ域内における新型コロナウイルス新規感染確認は52日連続ゼロ、輸入関連性症例に限ると実に141日連続ゼロだったとのこと。

 これまでの累計退院者数は46人で、7月17日までに全員が退院済み。3月7〜14日と5月20日〜6月25日に続いて新型コロナ流行下で三度目の入院患者ゼロ状態に入っている。

 目下、ほぼボーダー封鎖に近いレベルでの厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び広東省における状況が落ち着いてきたことを受け、7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された。また、中国広東省珠海市居民を対象にしたビザに相当するマカオ渡航許可(個人・団体観光旅行)の発給が8月12日から再開。特殊な状況が発生しなければ同月26日から広東省、9月23日から中国本土全域に拡大するとするスケジュールも発表されている。ただし、外国人の入境禁止緩和については未定とされたまま。

 マカオでは無症状であっても検査で陽性であれば感染確認者と見なされ、指定医療機関に入院して治療を受けることになっている。入院期間は平均3〜4週間、退院後も再発症リスクを考慮して隔離施設(高頂公共衛生臨床センター)の陰圧病室で14日間の経過観察、その後も14日間の自宅待機を必須とする多重の安全措置が講じられている。また、マカオの新型コロナ指定医療機関(2施設)には陰圧病床が232床あり、人工呼吸器72台、人工心肺装置(ECMO)3台を擁し、設備、医療スタッフとも充足。市中感染、院内感染例とも発生しておらず、死亡例もゼロを達成している。

 マカオでは今年1月下旬以降、入境制限を含む厳格な防疫措置が講じられている。海外からの輸入症例を阻止するため、3月後半以降、水際対策が一層強化され、現在まで維持されている。市民生活は不便を余儀なくされ、インバウンド旅客の激減に伴う経済への打撃も大きい。マカオ政府は水際対策と同時に、市民が1日1枚のマスクを確実に入手できるよう1月下旬にマスク有償配給制度の立ち上げ、毎年恒例実施している市民への現金配布の前倒しや電子商品券の配布といった民生、経済支援対策にも乗り出している。

 このほか、マカオ衛生当局が新型コロナワクチンの開発を進める6つの製薬会社(中国本土3社、海外3社)とビデオ会議等も含めた連絡を取り合っているとし、第3相試験の完了後、安全性及び有効性が証明された場合、マカオ政府は即時購入するとの考えを示した。

 同センターでは定例記者会見を1月22日から5月23日まで毎日、以降は月、水、金の週3回開催してきたが、今週以降は月、木の週2回開催に変更することが発表された。マカオ域内における新規感染確認なしが常態化している現状を受けて情報発信頻度を調整したもの。

マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見=2020年8月17日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

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