マカオ、新型コロナ防疫措置違反の2人に禁錮2〜10月…執行猶予付き判決=隔離検疫中に複数回外出、配給マスクに唾吐き毀損

 今年(2020年)初頭、マカオでは新型コロナウイルス感染症防疫措置違反案件が相次いで発生した。

 マカオ検察院は9月23日にプレスリリースを発出し、新型コロナ防疫措置違反事案について、公共の利益に基づき、迅速に捜査を進め、十分な証拠が揃っていることを前提に、被疑者を起訴しているとした。このほど、初級法院で2つの事案の判決が下され、被告2人に禁固刑が言い渡されたとのこと。

 1件目の事案は、外地からマカオへ入境した香港居民の男が、マカオ衛生当局が法律に基づいて定めた防疫措置による指定場所(政府が借り上げたホテルの客室内)での14日間の医学観察(隔離検疫)期間中、規定に違反して2回にわたって客室から外出し、ホテル内で人に会ったり、車に乗って買い物に出かけていたもの。検察院は伝染病予防治療法第30条2項と同第14条1項の2項及び防疫措置違反罪で起訴し、マカオ初級法院は有罪であると認め、被告に禁固3ヶ月、執行猶予2年、犯罪の償いのため法院が指定する社会機関へ8万マカオパタカ(日本円換算:約105万円)を寄付を命じる判決が下された。

 2件目の事案は、マカオ人の男が、コロアン島にある公立クリニックで公衆への有償配給用にストックしていたマスク320枚に向けて故意に唾を吐き、これによってマスクが汚れたため廃棄処分にせざるを得なくなったもの。検察院は男を加重毀損罪で起訴、法院の審理を経て有罪であると認められ、禁固10ヶ月、執行猶予2年の判決が下された。

 初級法院はこれら2つ事案に関する判決内容について、事件発生時のマカオは防疫及び抗疫対策の重要な時期にあった中、防疫規定を遵守し、防疫物資を大切にすることは市民と旅客共通の行動規範であり、義務だったとし、誰もが個人的な利益のために放棄を無視し、防疫措置を破るような行動をすべきではなかったと指摘。正しいコンプライアンス情報をリリースするため、法廷は最終的に2人の被告に対し、禁固刑を宣告するに至ったとした。

公立クリニックの有償配給用マスク在庫に唾を吐き毀損したとして検察院送致された男(資料)=2020年2月(写真:マカオ治安警察局)

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