マカオ、新型コロナ感染増の中国・青島市滞在歴申告せず隔離検疫忌避した男に強制措置…SNSに旅先の写真、市民からの通報で発覚

 マカオと中国本土では新型コロナの流行状況が落ち着いてきたことから、両地の間の往来にかかる水際措置の緩和が進んでいる。

 マカオと中国本土の間の往来については、中国籍であれば直近7日間以内の新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明及び「健康コード」(スマホで衛生当局の特設ウェブサイトにアクセスし、直近の滞在歴、新型コロナ患者との接触歴の有無、発熱や咳といった症状の有無、連絡先を入力することで生成されるQRコード)の「通行可」表示を提示するといった条件をクリアすれば、隔離検疫が免除される。ただし、状況に応じて個別指定される高リスク地域については免除の対象外となる。10月初旬から山東省青島市で感染例の確認が増加したことを受け、マカオ政府衛生局(SSM)が伝染病予防治療法の規定に基づき、青島市を高リスクエリアに指定し、10月13日午前0時以降、直近14日以内に青島市滞在歴のあるマカオ入境者に対する14日間の隔離検疫措置を導入した。

 SSMは10月21日、同月20日に青島市滞在歴を隠してマカオに入境したマカオ居民の男1人(35)に対して強制隔離措置を講じたと発表。

 SSMの発表によれば、10月15日に市民から同局へ電子メールで「近日青島市へ旅行した際に撮影した写真をSNS(ソーシャルネットワーク)サイト上にアップしている者がおり、同市滞在歴を隠してマカオに戻り、隔離検疫を忌避した疑いがある」とする通報が寄せられたとのこと。治安警察局が介入して調査を進めた結果、当該人物を特定することに成功し、事情を聞いたところ、10月9日から13日まで青島市に滞在していたこと、14日にマカオへ入境する際、健康コードの滞在歴を入力する項目で青島市に滞在していた事実を申告しなかったことを認めたという。

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合醫院(資料)—本紙撮影

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合醫院(資料)—本紙撮影

 SSMでは、事実に基づいた健康申告をしなかった場合、伝染病予防法の規定で最高6ヶ月の禁固刑または60日分の罰金が科せられるとし、市民に対して法令遵守を求めるとともに、新型コロナの外からの流入を阻止し、マカオでの再流行を防ぐことを目的とした水際対策に協力するよう呼びかけた。

 このほか、SSMは同局が運営する総合病院、仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)の男性整形外科医について、9月25日から10月5日まで青島市に滞在し、翌6日から同院での仕事に復帰したが、防疫措置の一環として出勤時に提示が必要となる健康コードに青島滞在歴を入力せず、上長への報告もしないまま診療にあたっていたことを明らかにした。SSMによれば、当該医師に対して実施した2回の新型コロナウイルス核酸検査及び抗体テスト結果でいずれも陰性で、新型コロナウイルスに感染していないことを示しているとし、当該医師が診療した患者と同僚についても感染リスクは低く、すでに新型コロナウイルス核酸検査の手配を行なっているとのこと。また、当該医師が青島市を離れて19日で14日間が経過したが、予防措置として出勤見合わせと7日間の経過観察を求めるとともに、調査手続きに着手。管理職を招集した内部会議を開き、各種防疫措置を厳格に執行するよう求めたとした。

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