メルコリゾーツが2020年第3四半期未監査決算発表…コロナ禍で苦戦続くも日本含む世界各地の開発計画にコミット継続
- 2020/11/6 10:36
- カジノ・IR
マカオを中心にアジア、ヨーロッパで統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エンターテインメント・リミテッドは11月5日、未監査の2020年第3四半期(7〜9月)の決算を発表。
同社の2020年第3四半期の営業総収入は前年同時期から約85%減となる2億1000万米ドル(日本円換算:約218億円)にとどまった。営業総収入減の主要因として、2020年第3四半期における海外からの観光客の著しい減少をもたらした新型コロナウィルスの感染拡大によって、すべてのゲーミング(カジノ)部門及びノンゲーミング事業の業績が軟調だったことを挙げた。
営業損失は2億7500万米ドル(約285億円)。前年同期は1億7520万米ドル(約182億円)の営業利益を上げていた。
前年同期は4億1820万米ドル(約433億円)のプラスだった調整後プロパティEBITDAは7670万米ドル(約79億円)のマイナスに。純損失は3億3160万米ドル(約344億円)、前年同期は8320万米ドル(約86億円)の純利益だった。2020年第3四半期における非支配株主に帰属する純損失は5530万米ドル(約57億円)、前年同期の非支配株主に帰属する純利益は890万米ドル(約9億円)で、すべてスタジオ・シティ、シティ・オブ・ドリームス マニラ及びキプロスにおける営業に関連するもの。
2020年第3四半期の決算発表にあたり、メルコリゾーツのローレンス・ホー会長兼最高経営責任者(CEO)が発表したコメントは以下の通り。
「新型コロナウィルス並びにこれに伴う旅行規制は、当社の業績と財務実績に悪影響を与え続けています。このような状況にもかかわらず、キプロス及びマニラでのカジノ事業の一部再開、そして、Individual Visit Scheme(IVS)に基づく中国政府による段階的なビザ発給再開により、第3四半期において当社の統合型リゾートの業績水準は緩やかな回復基調にあります。」
「最近の前向きな動向に勇気づけられる一方、当社の従業員、お客様そして私たちが事業を行っているコミュニティの安全と健康が引き続き当社の最優先事項です。また当社は、来訪者を増加させ、経済を後押しし、現地の雇用を守るためにマカオ特別行政区が新たに開始した中国本土からの旅行者のためのスキームを全面的にサポートします。このスキームのサポートにおいて、当社は、特別行政区の持続可能な発展と経済の再生に貢献しながら、現地の中小企業(SME)パートナーと手を取り合って感染症対策を最優先とすることに努めます。」
「当社はバランスシートの堅実な管理を継続しています。新規優先債券の発行とスタジオ・シティの株式の私募(ただし、当社の引受額である約2億8000万米ドル(約290億円)を除きます)により、2020年9月30日時点で当社はおよそ19億米ドル(約1969億円)の現金を手元に保有しており、およそ17億米ドル(約1761億円)の未使用リボルビング資金借入能力を有しています。」
「当社は、世界各地の開発計画にコミットし続けていきます。スタジオ・シティの拡張工事は順調に進んでいます。完工により、約900室の新たな高級客室とスイートルーム、世界で最大の室内/室外ウォーターパークの一つとなるシネプレックス、高級ダイニングレストラン、そして最新のMICEスペースが増設されます。ヨーロッパにおいては、完成すればおよそ500室のラグジュアリーな客室、1500席規模の円形演技場及び約1万平方メートルのMICEスペースを備えたヨーロッパ最大の統合型リゾートとなる、シティ・オブ・ドリームス メディテレーニアンを開発中です。」
「日本については、世界が今までに見たことがないIRをこの国に生み出すことへの当社のゆるぎないコミットメントを強調したいと考えています。当社のアジアのプレミアム部門への注力、高品質な施設ポートフォリオ、クラフツマンシップへの注力、世界トップレベルのエンターテインメントを提供することへの情熱、市場をリードするソーシャルセーフガードシステム、パートナーシップ構築について確立された実績、卓越したゲストサービスに関する企業風土及び雇用拡大への継続的なコミットメントは、世界に類を見ない日本ならではの特徴ある統合型リゾートを日本が実現することをサポートできる絶好の立場に当社を置くものと信じています。日本でのプロセスは事実上遅滞しており、内容も複雑です。当社は、力強い価値創造をもたらすことができる当社の主要な強みを活かし、適切な機会を当社が追及することができると今後の展望を評価しており、当社は忍耐強くあり続けます。」