マカオ政府が「南京事件」追悼式典開催…行政長官ら約300人出席=香港政府も
- 2020/12/13 18:40
- 澳日関係
マカオ特別行政区政府は12月13日午前、中国の「南京事件」国家追悼日に合わせ、政府主催による記念式典を開催。
会場は例年と同様、市街地から車で20分ほどの距離にあるコロアン島のマカオ保安部隊高校グランドだった。
マカオの政府系放送局TDMが同日午前のラジオニュースで報じた内容によると、式典にはマカオ特別行政区の賀一誠(ホー・ヤッシン)行政長官をはじめ、中国人民解放軍駐マカオ部隊及び中央政府出先機関の幹部、マカオ政府高官、マカオ各界の代表者、マカオの学校に通う学生らおよそ300名が参加したとのこと。新型コロナウイルス感染症防疫対策として、出席者は会場入口で健康申告を行い、検温を受けた上で入場し、参加中のマスク着用が必須だったという。
また、香港特別行政区政府主催の記念式典も13日午前に政府本部ビルで開催され、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官、中央政府出先機関の幹部、香港政府高官らが出席したとのこと。
南京事件追悼記念日は、9月3日の抗日戦勝記念日と並び、2014年2月27日に中国の全国人民代表大会常務委員会で公祭日化が通過、決定したもの。
南京事件は、日中戦争初期の1937年に旧日本軍が中国・南京市(当時の中華民国の首都)をめぐる攻略戦において、中国軍の便衣兵、敗残兵、捕虜、一般市民などを殺害したとされるもの。事件の存否、死者数など、日本と中国それぞれで考え方は諸説あり、論争が続いている。
第二次世界大戦期において、英国の植民地だった香港は旧日本軍による3年8ヶ月間の占領期を経験した。マカオは中立国だったポルトガルの統治下にあったことから直接的な影響は及ばなかったが、周辺地域から戦渦を逃れて流入した避難者も多かったとされる。
マカオは知日、親日の市民が多いことで知られる土地柄。近年、南京事件追悼記念日に関連する日本をターゲットとした抗議行動などの目立った動きは見受けられない。