マカオ、171日連続新型コロナ新規感染確認なし…ワクチン第1便は来年1Q到着、中国・欧州・米国製の中から選択接種可の方向

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは12月14日午後5時(現地時間、以下同)から週に一度の定例記者会見を開催。マカオ域内における新型コロナウイルス新規感染確認は171日連続ゼロ、輸入関連性症例に限ると実に260日連続ゼロだったとのこと。

 これまでの累計退院者数は46人で、7月17日までに全員が退院済み。市中感染、院内感染例とも確認されておらず、死亡例ゼロも達成している。3月7〜14日と5月20日〜6月25日に続いて新型コロナ流行下で三度目かつ最長の入院患者ゼロ状態に入っている。

 今回の記者会見では、マカオ政府衛生局(SSM)からワクチン購買に関する進捗報告も明らかにされた。世界的調達枠組み(GAVI)を通じて購入する20万本を除き、中国医薬集団(シノファーム)の不活化ワクチン40万本(生産地:中国・北京)と復星医薬が代理となるドイツ・ビオンテックのmRNAワクチン40万本(生産地:ドイツ、フランス、ベルギーのいずれか)のうち第1便が2021年第1四半期に、英国アストラゼネカのアデノウイルスベクターワクチン40万本(生産地:米国)の第1便が同第2四半期にそれぞれマカオに到着する予定とした。第1便で到着する本数は少なくとも各10万本超を見込んでいるとのこと。参考までにマカオの総人口は約70万人。

マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見=2020年12月14日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

 ワクチン接種順については、高リスク層を優先する方針。高リスク層は3分類とし、優先順位の高い順に第1分類が防疫対策の前線での任務に従事する医療スタッフ、消防員、警察官など、第2分類が交通運輸従事者とコールドチェーン商品関連従事者、第3分類が緊急需要での海外渡航者。高リスク層の接種を終え次第、接種範囲を拡大するという。

 なお、ワクチンの接種は希望者を対象とし、現時点では16歳以下、妊婦、3ヶ月以内の妊娠を計画する女性への接種は推奨しないとした。同一時間帯に複数種のワクチンが提供可能な場合、市民が自由に選択できるようにする方向とのこと。接種費用はマカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)が無料、その他については現時点で未定とした。

 このほか、中国本土の高リスク地区及び海外からのマカオ入境者を対象とした政府指定場所(ホテル)における14日間の医学観察(隔離検疫)について、今月(12月)20日からホテル選択の自由度が増す新措置が講じられることも発表された。

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