マカオ、180日連続新型コロナ新規感染確認なし…輸入関連性症例に限ると269日連続=水際措置と域内防疫策の強化も進む
- 2020/12/24 8:37
- 社会・政治
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。
マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは12月23日午後5時(現地時間、以下同)から週に一度の定例記者会見を開催。マカオ域内における新型コロナウイルス新規感染確認は180日連続ゼロ、輸入関連性症例に限ると実に269日連続ゼロだったとのこと。
これまでの累計退院者数は46人で、7月17日までに全員が退院済み。3月7〜14日と5月20日〜6月25日に続いて新型コロナ流行下で三度目かつ最長の入院患者ゼロ状態に入っている。
目下、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び中国本土における状況が落ち着いてきたことを受け、7月中旬から両地間の往来制限に関して緩和が進んでいる。すでに、中国本土の一部の中リスク地域(状況に応じて随時アップデートされる)を除き、隔離検疫なしでの往来が可能となっている。
一方、英国で感染力の高い変異種が出現したこと、世界各地で14日間の隔離検疫後に感染が確認される例が相次いでいることなどを受け、近日相次いで水際措置が強化された。
12月21日午後10時から中国本土及び台湾以外からの入境者に対する隔離検疫措置について、従来の14日間から21日間に延長。また、12月23日午前0時以降、マカオ入境前21日以内に外国に滞在歴のあるすべての中国本土、香港、台湾居民のマカオ入境が禁止に。ただし、公共の利益(中でも疾病予防と治療、緊急救助)、マカオの正常運営と居民の基本生活維持に必要な例外的状況に限り、マカオ政府衛生局が入境を許可する場合があるとした。これに加えて、12月1日からスタートしたマカオ入境前に中国本土滞在歴のある中国本土、香港、台湾居民身分を持たない非マカオ居民(=多くの外国人がこれにあたる)を対象とした事前入境申請受付についても要件を変更。これまで、要件のひとつとしてマカオ入境前「14日間以上」中国本土に滞在していることとされたが、これが「21日以上」となった。その他の条件として、家族の集合やマカオと密接な関係があることなどを証明する必要があり、衛生局が申請を受理した後、個別に審査した上で可否判断が行われる。現在、この方法を以外で外国人の入境はできない。なお、外国人の場合でも、有効なマカオ居民身分証あるいは香港永久性居民身分証を保有している場合は、それぞれマカオ居民、香港居民として扱われる。
マカオでは無症状であっても検査で陽性であれば感染確認者と見なされ、指定医療機関に入院して治療を受けることになっている。入院期間は平均3〜4週間、退院後も再発症リスクを考慮して隔離施設(高頂公共衛生臨床センター)の陰圧病室で14日間の経過観察、その後も14日間の自宅待機を必須とする多重の安全措置が講じられている。多重の防疫措置に加え、設備、医療スタッフとも充足。これまで市中感染、院内感染例とも発生しておらず、死亡例もゼロを達成している。
今年1月下旬以降、入境制限を含む厳格な防疫措置が講じられており、市民生活は不便を余儀なくされ、インバウンド旅客の激減に伴う経済への打撃も大きい。マカオ政府は水際対策と同時に、市民が1日1枚のマスクを確実に入手できるよう1月下旬にマスク有償配給制度の立ち上げ、毎年恒例実施している市民への現金配布の前倒しや電子商品券の配布といった民生、経済支援対策にも乗り出している。12月28日から25回目のマスク販売期がスタートする予定。第19回までが10日に一度だったが、第20回以降は30日間の実施となっており、30枚1組で24マカオパタカ(日本円換算:約320円)。1枚あたり単価は初回から変わっていない。現在進行中の第24回の販売枚数は約810万枚、初回からの累計は約1.7億枚に上るとのこと。
このほか、公共施設やホテル等への入場の際に提示が必要となる「マカオ健康コード」(政府衛生局の専用サイト上で直近の滞在歴、新型コロナ患者との接触歴の有無、発熱や咳といった症状の有無、連絡先を入力して生成されるQRコード)について、来年(2021年)1月7日からマカオにおける住所またはマカオにおける主な活動場所(いずれもマンション名、ビル名までとし、階数と部屋番号は不要)の記載を必須化するこおも発表された。今後、域内で感染確認例が見つかった場合の追跡や同一エリアに滞在していた人を把握し、より確実かつ迅速な防疫措置を講じるためと説明している。