マカオ、金融当局主導でQRコード決済を一元化…8種の「○○ペイ」をまとめてシンプルに

 マカオ金融管理局は1月5日、マカオで複数の金融機関などが独自に手掛けるQRコード決済を一元化する新サービス「聚易用(Simple Pay)」を今年(2021年)第1四半期にもリリース予定と発表。

 マカオは面積約30平方キロ(山手線の内側の約半分)、人口約68万人の小さな地域だが、金融機関などが独自展開するQRコード決済が数多く存在する。今回、Simple Payに一元化されるのは、マカオ版「Alipay」、交通系ICカード・マカオパス系の「MPay」、中国銀行マカオ支店の「BOC Pay」、マカオ国際銀行の「LusoPay」など8種。今後マカオで新たにQRコード決済が登場した場合にも対応するとのこと。

 これまで、店舗側はそれぞれの規格に対応した読み取り端末を用意する必要があったが、Simple Payサービスのリリース後、ソフトウエアのアップデートによって1台で対応可能になるという。ユーザー側の手順は従来と変わらず、自身が登録済みのQRコード決済の中から好みのもの選ぶことができ、店舗ごとに使用できるQRコード決済の種類を確認しなくてもよくなる。

マカオ「Simple Pay」ロゴイメージ。対応店にはステッカーが掲出される予定(図版:マカオ金融管理局)

 近年、マカオ金融管理局はキャッシュレス決済の普及に積極的な姿勢で臨んでおり、今回のQRコード一元化も同局の主導で実現した。同局では、利便性向上と効率化によって小売業の発展に寄与できるとの見方を示している。

 なお、マカオでも中国本土や香港版の「Alipay」や「WeChat Pay」といったQRコード決済に対応している店舗がある。こういったインバウンド旅客を対象としたものについてはSimple Payにまとめられず、従来通りの運用が維持されるとのこと。

マカオ金融管理局が開催した「SImple Pay」サービス概要説明会の様子=2021年1月5日(写真:マカオ金融管理局)

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