マカオ、20年12月のインバウンド旅客数は78.6%減の65.9万人…対前月では8ヶ月連続プラス、通期85.0%減=中国本土旅客戻る中

 マカオ政府統計調査局は1月20日、昨年(2020年)12月及び通期の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 昨年12月のインバウンド旅客数は前年同月から78.6%減、前月から3.6%増の65万9407人(延べ、以下同)だった。対前月では8ヶ月連続のプラス。宿泊を伴う旅客が全体の59.2%を占めた。旅客の平均滞在時間は前年同月から0.3日延びて1.5日に。宿泊を伴う旅客の平均滞在時間は0.3日延びて2.5日、日帰り旅客は0.1日短い0.1日だった。

 昨年12月のインバウンド旅客のうち国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、全体の92.0%を占める60万6884人、前年同月比では71.0%減。このうち個人旅行客は26万1297人。中国本土からの旅客の原居地別では、大湾区(グレーターベイエリア)9市が54.0%、マカオに隣接する広東省珠海市が42.4%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ4万6786人、5685人。

 中国本土旅客がけん引するかたちでインバウンド旅客数が復調傾向にある背景として、マカオと中国本土における流行状況が落ち着いてきたことを受け、昨年7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された上、中国広東省珠海市居民及び広東省居民を対象にしたビザに相当するマカオ渡航許可(個人・団体観光旅行)の申請受付がそれぞれ8月12日、26日から再開、9月23日から中国本土全域に拡大したことが挙げられる。これと並行してマカオと中国各地を結ぶ海路、空路の交通アクセスも原状回復しつつある。

 香港、台湾居民については、直近の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、14日間または21日間の政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担)、新型コロナウイルス核酸検査陰性証明書の提示を求めるなどの対応。外国人(マカオ就労ビザ保有者を含む)については原則入境禁止が維持されているが、12月1日からマカオ入境前21日間以上中国本土に滞在していることや入境目的などの諸条件をクリアした上でマカオ当局へ事前入境申請ができるようになった。しかしながら、条件が厳しいことから恩恵を受ける数は限定的とみられる。

マカオの観光名所、世界遺産「聖ポール天主堂跡」前で写真撮影を楽しむ若い世代のインバウンド旅客ら(写真:MGTO)

 昨年通期のインバウンド旅客数は前年から85.0%減の589万6848人。宿泊を伴う旅客が全体の47.9%を占めた。旅客の平均滞在時間は前年同月から0.2日延びて1.4日に。宿泊を伴う旅客の平均滞在時間は0.6日延びて2.8日、日帰り旅客は横ばいの0.2日だった。

 昨年通期のインバウンド旅客のうち国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、全体の80.6%を占める475万4239人、前年比では83.0%減。このうち個人旅行客は85.2%減の186万5152人。中国本土からの旅客の原居地別では、大湾区(グレーターベイエリア)9市が54.2%を占める257万5651人で、前年比では77.4%減。香港と台湾からの旅客は84万3165人、10万4124人で、88.5%、90.2%のそれぞれ減。入境ルート別では、陸路が全体の85.4%を占め、空路は7.4%、海路は7.2%だった。

 参考までに、一昨年(2019年)通期のインバウンド旅客数は前年から10.1%増の3940万6181人に上り、3年連続で過去最多を更新。中国本土旅客が占める割合は約7割だった。

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