香港、1/22単日の新型コロナ新規感染確認数61人…市中感染55人のうち感染経路不明が25人、依然第4波続く

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府は1月22日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が前日から9人減の61人だったと発表。内訳は市中感染が55人、輸入性が6人。市中感染のうち感染経路不明は前日から9人増の25人に上った。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は50人超とのこと。

 1月に入って以降に新規感染者が集中して確認されたことを受け、九龍半島の油麻地(ヤウマテイ)から佐敦(ジョーダン)にかけてのエリア一帯(油尖旺区)と深水埗(サムソイボウ)エリアで強制検査の対象が拡大されている。同エリアの特定区画(コア区画)居住者については感染者の有無に関係なく、それ以外については感染者が1人以上出現したビルの住民がそれぞれ対象となる。この日の新規感染確認者のうち24人(感染経路不明13人含む)が油尖旺区の居住者だった。

 また、依然として市内各所で集団感染(クラスター)の発生や集合住宅、宿舎、高齢者介護施設等における感染連鎖も続いている状況。感染経路不明も毎日のように一定数が確認されていることから、市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させている可能性が指摘されている。

 ここまでの香港における累計感染確認数は9929人、退院者数は8948人、死者数は168人。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

 香港政府は早期に市中感染ゼロを達成することを目標として掲げ、状況に応じた施策を打ち出している。12月下旬に英国や南アフリカで感染力が強いとされる変異種のウイルスが出現したこと、クラスター及び感染経路不明事案が続いていることなどを受け、ソーシャルディスタンス措置(飲食店での同席数を2人までとし、夕食時間帯の営業を禁止するなど)及び学校の対面授業の見合わせ期間の延長、感染者が確認されたマンション・雑居ビル等を対象とする強制検査、水際対策の厳格化、密接接触者追跡センターの稼働などが進んでいる。現在、香港到着フライトの乗員については隔離検疫免除の対象となっているが、政府食物衛生局長は22日、昨今の状況を鑑み、この措置を見直し、指定ホテルで14日間の隔離検疫を受けることを求める方針も示した。

 一方、香港の隣にある人口約68万人のマカオでは、1月21日に約7ヶ月ぶりに新規感染確認があった。ドバイからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。ただし、市中感染に関しては298日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。状況が落ち着いているマカオだが、政府が春節シーズン恒例の歳末マーケットや花火大会の中止が発表済みで、市民に対して不要不急の外遊を避ける、マカオで就労する中国本土出身のワーカーに対しては帰省を見合わせるようそれぞれ呼びかけている。

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