香港、1/29の新型コロナ新規感染確認数50人…3度目の局地ロックダウン実施も感染者未発見
- 2021/1/29 19:17
- 香港・大湾区
人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。
香港政府は1月29日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が前日から11人増の50人だったと発表。対前日のマイナスは5日連続で途絶えた。内訳は市中感染が10人増の48人、輸入性が2人。市中感染のうち感染経路不明は16人で、前日から4人減。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は30人超とのこと。
依然として市内各所で集団感染(クラスター)の出現が続いている状況。近日、マンションの同一棟内での感染連鎖が多数確認されており、当局が感染者の出現したビルの住民を対象とした強制検査を実施するケースが増えている。この日は九龍半島の比較的人口が密集した場所にある複数のビルが新たに強制検査対象となった。既知のクラスター事案では、九龍半島の紅磡(ホンハム)エリアにある粥店関連で新たな感染確認があり、調理担当を含むスタッフと家族3人の計10人に膨らんでいる。
このところ、香港政府は局地ロックダウンによる強制検査実施作戦を展開している。28日夜から12時間にわたり、香港島の北角(ノースポイント)にあるビルが対象となった。局地ロックダウンは今回が3度目、香港島では初めてのケース。約475人が検査を受け、感染確認はなかったとのこと。なお、1度目は13人(検査対象約7000人)、2度目は1人(同約330人)の感染が確認されている。
香港は人口密度が高く、交通機関も発達しており、エリアを跨ぐ人の移動が多いこともあり、市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させている可能性が指摘されている。
ここまでの香港における累計感染確認数は1万0372人、退院者数は9302人、死者数は177人。
香港政府は早期に市中感染ゼロを達成することを目標として掲げ、状況に応じた施策を打ち出している。12月下旬に英国や南アフリカで変異種のウイルスが出現し、香港にも流入したこと、クラスター及び感染経路不明事案が続いていることなどを受け、ソーシャルディスタンス措置(飲食店のイートインは1テーブルあたり2人までに制限、飲食店の夕食時間帯以降の営業禁止、バー・美容院・劇場・カラオケ店ほか多業種を対象とした閉鎖令など)、学校の対面授業の見合わせ、複数感染者が確認されたマンション・雑居ビル等を対象とする強制検査、水際対策の厳格化、密接接触者追跡センターの設置などが進んでいる。
一方、香港の隣にある人口約68万人のマカオでは、1月21日に約7ヶ月ぶりに新規感染確認があった。ドバイからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。ただし、市中における感染確認に関しては1月29日まで306日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。マカオ当局では、外地での感染リスク及びマカオへの流入防止対策として、春節(旧正月)ホリデーは外遊を避け、マカオに留まるよう呼びかけている。