マカオ、約2週間ぶり新型コロナ新規感染確認…累計48人目=1月下旬にポルトガルから成田経由で帰郷の男性、隔離検疫中の検査で

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 目下、ボーダーを跨ぐ人の移動が大きく制限される中、海外に滞在するマカオ人の帰郷手段も限られ、現時点では成田経由のマカオ航空利用が唯一の選択肢となっている。

 先月(1月)21日、帰郷を希望する在外マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)109人が世界各地から経由地の成田国際空港へ集まり、同空港発のマカオ航空NX861便とNX867便に分乗してマカオ国際空港へ到着した。

 帰郷者のうち、マカオ到着後すぐの検査で新型コロナの感染が確認されたのはドバイ滞在歴のある女性1人のみだった(ドバイからシンガポール経由で成田へ向かうルート)。その他の帰郷者108人と運航を担当したマカオ航空のクルー全員はいずれも陰性で、21日間の隔離検疫を受けるため政府指定場所(密接接触者の8人は医療機関、他は指定ホテル)へ移動した。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは2月5日夜、同日新型コロナの新規感染確認が1例あったと発表。患者はマカオ居民(ポルトガル籍)の男性(30)で、1月19日に友人とともにポルトガルのリスボンを出発し、アムステルダム、成田を経て21日にマカオへ到着。コロアン島にあるグランドコロアンリゾートで隔離検疫を受けていた。2月3日に帰郷者に対して実施された血清抗体検査の結果はIgG抗体陽性、IgM抗体陰性だった。これ以前の14日間に受けた3度の核酸検査結果も陰性だったという。患者は無症状で、2月4日にホテルから医療機関の隔離病棟へ移った後の胸部検査でも肺炎の兆候は見受けられなかったが、2月5日に受けた鼻咽頭検査結果が弱陽性だったことから、感染確認(輸入性)に至ったとのこと。この患者の密接接触者とされたのは同行の友人1人のみ。

 マカオにおける新型コロナの新規感染確認は1月22日以来、約2週間ぶり。累計では48人目。内訳は域外からの輸入性が46人、輸入関連性事案が2人。ただし、市中感染例は2月5日まで311日連続ゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況。院内感染、死亡例についてもゼロ。

 なお、2月3日に実施された血清抗体検査では、この患者以外にも男性1人が陽性、女性1人が偽陽性となっており、反復検査を実施するとしている。

マカオ国際空港に到着した成田発NX867便から降機し、新型コロナウイルス検査場へ向かう搭乗者=2021年1月21日(写真:GCS)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ市政署(IAM)は11月21日、マカオ半島のギアの丘(松山)に位置する史跡「松山軍用隧道(…
  2.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…
  3.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  4.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  5.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun