香港、2/6の新型コロナ新規感染確認数19人…市中感染は16人で第4波下で最少

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府は2月6日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が前日から18人減の19人だったと発表。内訳は市中感染が前日から18人減の16人、輸入性が横ばいの3人。市中感染のうち感染経路不明は3人減の6人で、2日連続で1桁台だった。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は20人超とのこと。

 依然として市内各所で集団感染(クラスター)の出現が続いている状況。マンションの同一棟内、グループホーム内、職場内での感染連鎖も多く確認されており、市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させている可能性が指摘されている。この日の市中感染者の居住エリアは香港各所に散らばっており、職業もリタイヤ生活者、学生、外国人ヘルパー、教員、保安員など様々だった。

 香港では、第4波下で感染者が複数出現したビル(マンション)の住民に対する強制検査、1月下旬からは感染例の集中する特定区域を対象とした局地ロックダウンによる強制検査が散発的に実施されており、近日では広範かつ頻繁に実施されるようになった。並行して強制検査対象とするビルの基準引き締めも進んでいる。

 このほか、すでに感染確認された人のうち、この日新たに4人が英国で出現した変異種ウイルスだったことが判明したとのこと。3人がスコットランドから入境した家族、1人がスイスからの入境者で、英国変異ウイルスの確認者数は累計22人となった。香港では南アフリカやブラジルで出現した変異種も確認されている。

 ここまでの香港における累計感染確認数は1万0609人、退院者数は9828人、死者数は186人。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

 ここ数日の感染確認者数は第4波下で低位にあるが、これまでもホリデーシーズン後に急増するパターンとなっているため、来週以降の春節(旧正月)ホリデー以降の動向が気がかりだ。政府はソーシャルディスタンス措置(飲食店のイートインは1テーブルあたり2人までに制限、飲食店の夕食時間帯以降の営業禁止、バー・美容院・劇場・カラオケ店ほか多業種を対象とした閉鎖令など)を春節(旧正月)ホリデー後の2月17日まで延長することを発表済み。この日の会見でも、春節シーズン中の外出を減らし、グループで集まらず、ソーシャルディスタンスを確保し、外食も避けるようにしてほしいと再度の呼びかけがなされた。

 香港で第4波が続く一方、海を隔てて隣にある人口約68万人のマカオでは、封じ込めに成功している。直近およそ2週間で2人の新規感染確認があったが、ドバイとポルトガルからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。市中における感染確認に関しては2月6日まで314日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。

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