香港、2/7の新型コロナ新規感染確認数27人…市中感染24人中感染経路不明は6人
- 2021/2/7 18:29
- 香港・大湾区
人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。
香港政府は2月7日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が第4波下で最少となった前日から8人増の27人だったと発表。内訳は市中感染が前日から6人増の24人、輸入性が3人。市中感染のうち感染経路不明は横ばいの6人で、3日連続で1桁台だった。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は20人超とのこと。
この日の市中感染例には妊娠26週目の女性1人が含まれる。当局の発表によれば、この妊婦と同居の家族1人が先に感染確認されてた際、密接接触者にあたる妊婦の存在を故意に隠していたことが発覚したとのこと。その後、妊婦が複数回にわたって診療を受けるため医療機関を訪れていたこともわかった。当局は今回の隠蔽行為について法的措置を講じる可能性を示唆した上、市民に対して感染確認された場合に正確な情報を提供するよう呼びかけた。
依然として市内各所で集団感染(クラスター)の出現が続いている状況。マンションの同一棟内、グループホーム内、職場内での感染連鎖も多く確認されており、市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させている可能性が指摘されている。
香港では、第4波下で感染者が複数出現したビル(マンション)の住民に対する強制検査、1月下旬からは感染例の集中する特定区域を対象とした局地ロックダウンによる強制検査が散発的に実施されており、近日では広範かつ頻繁に実施されるようになった。並行して強制検査対象とするビルの基準引き締めも進んでいる。
ここまでの香港における累計感染確認数は1万0636人、退院者数は9887人、死者数は186人。
ここ数日の感染確認者数は第4波下で低位にあるが、これまでもホリデーシーズン後に急増するパターンとなっているため、来週以降の春節(旧正月)ホリデー以降の動向が気がかりだ。政府はソーシャルディスタンス措置(飲食店のイートインは1テーブルあたり2人までに制限、飲食店の夕食時間帯以降の営業禁止、バー・美容院・劇場・カラオケ店ほか多業種を対象とした閉鎖令など)を春節(旧正月)ホリデー後の2月17日まで延長することを発表済み。この日の会見では、春節を前に市民の会合が頻繁に行われるようになった状況が憂慮されるとし、近日の感染確認者の中には20人規模の家族の会合に出席した人もいたことを明かした。また、感染確認された人の中に無症状の人も少なくなく、例えば鼻水が出るといった軽度の症状があった場合でも、速やかに医療機関を受診してほしいとした。
香港で第4波が続く一方、海を隔てて隣にある人口約68万人のマカオでは、封じ込めに成功している。直近およそ2週間で2人の新規感染確認があったが、ドバイとポルトガルからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。市中における感染確認に関しては2月7日まで315日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。2月6日には香港より先に新型コロナウイルスワクチンの第1便(シノファーム社製の不活化ワクチン10万本)が到着。9日から接種開始予定となっている。