香港、2/9の新型コロナ新規感染確認数26人…市中感染21人中感染経路不明は5人=春節ホリデー中の外出や会合避けるよう呼びかけ
- 2021/2/9 18:50
- 香港・大湾区
人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。
香港政府は2月9日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が前日から6人減の26人だったと発表。内訳は市中感染が前日から7人増の21人、輸入性が5人。市中感染のうち感染経路不明は1人減の5人で、5日連続で1桁台だった。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は20人超とのこと。
依然として市内各所で集団感染(クラスター)の出現が続いている状況。マンションの同一棟内、グループホーム内、職場内での感染連鎖も多く確認されており、市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させている可能性が指摘されている。
香港では、第4波下で感染者が複数出現したビル(マンション)の住民に対する強制検査、1月下旬からは感染例の集中する特定区域を対象とした局地ロックダウンによる強制検査が散発的に実施されており、近日では広範かつ頻繁に実施されるようになった。並行して強制検査対象とするビルの基準引き締めも進んでいる。
ここまでの香港における累計感染確認数は1万0694人、退院者数は9976人、死者数は186人。
昨今の感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にある。ただし、これまでもホリデーシーズン後に急増するパターンとなっているため、今週後半以降の春節(旧正月)ホリデー以降の動向が気がかりだ。香港衛生当局者はこの日の会見で、春節ホリデー後の流行悪化を心配しているとし、この時期はどうしても対面が避けられないことがあると思うが、相手先に体力の弱い高齢者がいる場合は必要性の有無を再検討する、あるいは一緒に食卓を囲まない、マスクなしで活動しないことを呼びかけた。
また、香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は9日午前、行政会議出席前に記者会見に臨んだ際、このところ新規感染確認例が低位にあり、政府として春節ホリデー後に学校の段階的再開を計画するなどしており、少しずつ生活の正常化が進むとの見通しを示した。ただし、決して気を緩めることなく、ホリデー期間中の外食や会合を避け、個々人は衛生管理を維持してほしいと加えた。
香港で第4波が続く一方、海を隔てて隣にある人口約68万人のマカオでは、封じ込めに成功している。直近およそ2週間で2人の新規感染確認があったが、ドバイとポルトガルからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。市中における感染確認に関しては2月9日まで317日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。2月6日には香港より先に新型コロナウイルスワクチンの第1便(シノファーム社製の不活化ワクチン10万本)が到着。9日午前から接種が開始となっている。