マカオ、新型コロナワクチン接種開始日に約600人が接種受ける…1日あたりの枠は5000人分
- 2021/2/10 10:34
- 社会・政治
マカオでは、2月9日午前9時から新型コロナワクチンの接種がスタートした。
マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターの発表によれば、同日午後9時までに接種予約を行った人は4033人おり、このうちすでに接種を受けた人は595人とのこと。マカオの首長にあたる行政長官のほか、政府高官らも同日午前に相次ぎ接種を受けた。
マカオの人口は約68万人、面積は東京の山手線の内側の半分程度にあたる約30平方キロメートル。マカオ域内には13ヶ所の接種ステーション(公立の総合病院とクリニック内)に設けられ、1日あたりの接種予約受付枠は最大5000人分となっている。政府は市民の需要をみながらステーションの数と予約枠の増加を検討するとしている。
現在、マカオで使われているワクチンは2月6日に第1便として到着したばかりの中国医薬集団(シノファーム)製の不活化ワクチン(生産地:中国・北京)10万本。近日中に同ワクチン40万本がマカオに到着するほか、中国の復星医薬が代理となるドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン(生産地:ドイツ、フランス、ベルギーのいずれか)が2月末から3月にかけて、英国アストラゼネカ製のアデノウイルスベクターワクチン(生産地:米国)が第3四半期をめどにそれぞれ到着予定となっている。
マカオ政府が確保した3種のワクチンの合計は140万本。いずれも2回の接種(約1ヶ月間隔)が必要なものだが、人口の2倍に相当するため、充足しているといえる。
目下、接種は高リスク群を優先に展開されている。具体的には第1類:防疫の最前線(医療関係者、イミグレーション職員、警察・消防・税関職員など)、第2類:高リスク職(コールドチェーン食品関係者、社会福祉機関・施設職員、学校教職員、交通・運輸従事者、ツーリズム・カジノ業従事者、政府保安部隊員、第3類:緊急を要する事由により流行国・地域へ渡航する必要がある人。第2段階が一般のマカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)となり、接種開始は2月22日から。第3段階はマカオで就労する海外就労者と合法的に滞在する非マカオ居民も対象とするが、第1、2段階の進捗度を踏まえて時期を検討するとのこと。
接種は希望者のみを対象とし、在庫がある場合は3種の中から自由に選択できる。費用はマカオ居民、マカオで就労する海外労働者、マカオの学校に通う学生は無償、その他は1回あたり250マカオパタカ(日本円換算:約3300円)となる。政府はポルトガル系のフィデリダーデ・マカオ社と不良副反応・副作用に関する保険契約も締結済みで、保障期間は接種後90日間、補償額は1人あたり最大100万マカオパタカ(約1330万円)とのこと。
ここまでのマカオにおける新型コロナの感染確認数は累計48人。内訳は域外からの輸入性が46人、輸入関連性事案が2人。市中感染例は2月9日まで317日連続ゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況。院内感染、死亡例についてもゼロ。
なお、マカオと海を隔てて隣接する香港では、昨年11月下旬から流行第4波が続いているが、現時点でワクチンは未到着。