香港、2/12の新型コロナ新規感染確認数24人…市中感染18人中感染経路不明が9人=春節ホリデー中もウイルス検査体制維持
- 2021/2/12 18:58
- 香港・大湾区
人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。
香港政府は2月12日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が前日から3人増の24人だったと発表。内訳は市中感染が1人増の18人、輸入性が6人。市中感染のうち感染経路不明は2人増の9人で、8日連続で1桁台だった。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は10人超とのこと。
市内各所のマンションの同一棟内、グループホーム内、職場内などでの感染連鎖が続いており、依然として市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させているものとみられる。この日の感染経路不明者も居住地は香港各所に散らばっていた。
香港では、第4波下で感染者が複数出現したビル(マンション)の住民に対する強制検査、1月下旬からは感染例の集中する特定区域を対象とした局地ロックダウンによる強制検査が散発的に実施されており、近日では広範かつ頻繁に実施されるようになった。並行して強制検査対象とするビルの基準引き締めも進んでいる。局地ロックダウンについては2月10日から春節(旧正月)ホリデー期間中にかけて実施されない見通し。
ここまでの香港における累計感染確認数は1万0756人、退院者数は1万0136人、死者数は192人。
昨今の感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にある。ただし、これまでもホリデーシーズン後に急増するパターンとなっているため、12日から15日にかけての春節(旧正月)ホリデー以降の動向が気がかりだ。政府はソーシャルディスタンス措置(飲食店のイートインは1テーブルあたり2人までに制限、飲食店の夕食時間帯以降の営業禁止、バー・美容院・劇場・カラオケ店ほか多業種を対象とした閉鎖令など)を17日まで維持するが、18日以降は飲食店における1テーブルあたりの人数を4人に、営業時間を午後10時まで延長することなど、一部緩和する方針を示している。政府部門における公共サービスについても18日から全面再開予定。
12日は春節の元旦にあたるが、香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官と食物・衛生局の陳肇始局長は午前中にかけて市内各所に設置されたコミュニティ検査センターのうち5ヶ所を訪問し、春節ホリデー中の運営状況を視察するとともに、任務にあたるスタッフを慰問した。林鄭長官はセンターはたいへんスムーズに運営されており、場内外の防疫措置も適切で、検査秩序も整然としていると評価。陳局長は、香港における流行状況が緩和傾向にあるものの、検査体制は維持し、域内19ヶ所のコミュニティ検査センターの運営は継続するとし、強制検査あるいは検査が必要とされた特定の職業に従事する人に対し、必ず受検するよう呼びかけた。
香港で第4波が続く一方、海を隔てて隣にある人口約68万人のマカオでは、封じ込めに成功している。1月下旬から2月上旬にかけて2人の新規感染確認があったが、ドバイとポルトガルからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。市中における感染確認に関しては2月12日まで320日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。2月9日からは香港より先に新型コロナウイルスワクチン接種がスタートしている。