香港、2/16の新型コロナ新規感染確認数8人…2日連続1桁台、ソーシャルディスタンス措置緩和へ

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府衛生防護センターの発表によれば、2月16日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が第4波下最少だった前日から1人減の8人だった。2日連続で1桁台を維持した。内訳については市中感染が前日から2人増の6人、輸入性は3人減の2人。市中感染のうち感染経路不明は前日と同数の3人で、12日連続で1桁台に。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は10人以下とのこと。

 過去14日間累計では、新規感染確認が市中感染が261人を含む302人で、市中感染のうち感染経路不明は81人。

 香港では、第4波下で感染者が複数出現したビル(マンション)の住民に対する強制検査、1月下旬からは感染例の集中する特定区域を対象とした局地ロックダウンによる強制検査が散発的に実施されており、近日では広範かつ頻繁に実施されるようになった。並行して強制検査対象とするビルの基準引き締めも進んだ。なお、局地ロックダウンについては2月10日以降は実施されていない。

 ここまでの香港における累計感染確認数は1万0797人、退院者数は1万0207人、死者数は194人。

 昨今の感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にある。これまで、ホリデーシーズン後に急増するパターンがあったことから、春節(旧正月)ホリデー以降(16日以降)の動向が気がかりだ。

 香港政府は16日夕方に臨時記者会見を開き、事前予告通り、18日からソーシャルディスタンス措置を緩和すると発表。飲食店のイートイン時の1テーブルあたり制限人数は4人まで、夜の営業時間も午後10時まで認められる。このほか、スポーツ施設、フィットネスセンター、美容院、テーマパーク、映画館、ビリヤード場、スケートリンクなどが部分的に営業再開可能に。ただし、営業再開にあたっては、客の入店時に感染者追跡アプリ「安心出行」を使用して所定のQRコードをスキャンさせるか、手書きで連絡先を申告させること、従業員は14日毎に新型コロナウイルス検査を受けることといった条件が付く。このほか、公共の場所における集団制限は2人までを維持するが、今後流行状況に大きな変化がなければ、短期内に4人にまで緩和する方向で、屋内外公共場所及び交通機関におけるマスク着用義務は3月3日まで延長するとした。

 香港で第4波が続く一方、海を隔てて隣にある人口約68万人のマカオでは、封じ込めに成功している。1月下旬から2月上旬にかけて2人の新規感染確認があったが、ドバイとポルトガルからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。市中における感染確認に関しては2月16日まで324日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。2月9日からは香港より先に新型コロナウイルスワクチン接種がスタートしている。

感染者追跡アプリ「安心出行」の使用例を示す香港政府イノベーション・テクノロジー局の 薛永恒(アルフレッド・シット)局長(資料)=2021年2月15日(写真:news.gov.hk)

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