香港、2/17の新型コロナ新規感染確認数16人…3日ぶり2桁台に、市中感染12人中感染経路不明が10人

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府は2月15日夕方の記者会見で、2月17日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が前日から8人増の16人だったと発表。15、16日と2日連続で第4波下最少を更新していたが、この日は3日ぶりに2桁台となった。内訳については市中感染が前日から6人増の12人、輸入性は2人増の4人。市中感染のうち感染経路不明は前日から7人増の10人で、13日ぶりの2桁台に。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)が約10人いるとのこと。

 香港では、第4波下で感染者が複数出現したビル(マンション)の住民に対する強制検査、1月下旬からは感染例の集中する特定区域を対象とした局地ロックダウンによる強制検査が散発的に実施されており、近日では広範かつ頻繁に実施されるようになった。並行して強制検査対象とするビルの基準引き締めも進んだ。なお、局地ロックダウンについては2月10日以降は実施されていない。近日では九龍半島の葵涌消防署で消防員と密接接触者の感染が相次いだことから、当局がクラスターが発生しているとみて、この消防署を強制検査対象としている。

 ここまでの香港における累計感染確認数は1万0813人、退院者数は1万0269人、死者数は195人。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

 最近の感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にある。これまで、ホリデーシーズン後に急増するパターンがあったことから、春節(旧正月)ホリデー以降(16日以降)の動向に注目が集まっている。

 香港では、18日からソーシャルディスタンス措置が一部緩和される予定。飲食店のイートイン時の1テーブルあたり制限人数が4人まで(現行は2人まで)、夜の営業時間も午後10時まで(同午後6時まで)認められる。このほか、スポーツ施設、フィットネスセンター、美容院、テーマパーク、映画館、ビリヤード場、スケートリンクなどが部分的に営業再開可能に。ただし、営業再開にあたっては、客の入店時に感染者追跡アプリ「安心出行」を使用して所定のQRコードをスキャンさせるか、手書きで連絡先を申告させること、従業員は14日毎に新型コロナウイルス検査を受けることといった条件が付く。直近では、ソーシャルディスタンス措置緩和を前に、飲食業従事者によるウイルス検査受検数が急増しているとのこと。この日の感染確認者の中にも飲食店のシェフ、ビジネスセンターの厨房スタッフが含まれ、同僚ら密接接触者20人が検疫対象となった。

 香港で第4波が続く一方、海を隔てて隣にある人口約68万人のマカオでは、封じ込めに成功している。1月下旬から2月上旬にかけて2人の新規感染確認があったが、ドバイとポルトガルからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。市中における感染確認に関しては2月17日まで325日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。2月9日からは香港より先に新型コロナウイルスワクチン接種がスタートしている。

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